クラウドサービスは大丈夫?
情報漏えいリスクがあってもiPhoneの社内利用を制限できない今日的な理由
多くのユーザーが自分の携帯端末からクラウドサービスにアクセスしているが、DropboxやGoogle Driveといったサービスを通じて会社のデータが流出するリスクは増大する一方だ。
真のモバイル化を実現するためには、たとえモバイルからデータが流出する恐れがあったとしても、IT部門がスマートフォンやタブレットを完全に統制することは不可能だ。
モバイルの時代において、組織はデータ保護に対するアプローチを変える必要があり、それは困難を伴うこともある。本稿では米Dellのエンドユーザーコンピューティング担当エグゼクティブディレクター、ブレット・ハンセン氏が、エンタープライズモバイル戦略の中でセキュリティが果たす役割について解説する。
――現代のモバイルが意味するものとは?
私は互いに矛盾するかもしれない2つのことを実現したいと思っている。一方では従業員を支援してスマート化を促し、生産性や効率性を高めてもらいたいと思う。だがその一方で、データは事業に不可欠な存在であり、そのデータの保護を最優先課題としなければならない。
(現代のモビリティは)この2つのトレンドを追う必要がある。従業員は高度に分散されたモバイル環境で仕事ができるようになっている。だが、それは、会社のデータが守られていることが前提だ。
――IT部門が今日のセキュリティニーズの変化に対応するには?
第一に計画を立てること。ビジネスとしてどこを目指すのか。ビジネスの方向性について理解することは、次の段階へ進んで「よし。ではセキュリティ対策に関して自分は何がしたいのか」と問い掛けるために不可欠だ。
第二の要素は何を守るかだ。大量のデータに対して特別なセキュリティ対策が必要なのか。それは、われわれがエンジニアリング分野の企業であり、(知的財産が)絶対に不可欠だという理由からなのか。
――モバイル化に伴って浮上した新しい攻撃経路とは?
モバイル端末の数が増え、OSの数も増えている。Windows環境が行き渡っていた時代はとうに過ぎた。さらに、データの移動だけでなく、データの速度そのものが激増した。
モバイル端末は本質的にクラウド環境に適している。私自身、文書を取り出して、それをモバイル端末に保存することはめったにしない。保存先はDropboxやBox、Google Driveのアカウントだ。従って、従業員が会社の資産をパブリック環境に保存することの意味を、常に念頭に置く必要がある。
――モバイル端末やクラウドサービスを通じて会社のデータに対するリスクは増大するのか?
リスクは高い。従業員がデータを保存する場所が増えるからだ。自分の家族に大量の写真を送ることも簡単にできる。だが問題は、そこにリスクが伴うことだ。「しまった。写真と一緒に、顧客5000人の氏名とアドレスが入った文書も送ってしまった」。情報流出はこうして起きる。
自社にどんなデータがあるかを知り、リスク対報酬の状況をよく考えることだ。そのデータを自分の環境から流出させても構わないのか。それは容認できたとしても、もしそれが財務情報やシリアル番号だった場合、制限を強める必要があるかもしれない。
――IT部門がセキュリティニーズとユーザーエクスペリエンスとのバランスを保つには?
何でも制限すればいいということではない。極めて明確なポリシーを持つことだ。ユーザーは徐々にそうしたポリシーを守ることの重要性を認識するようになる。だがそれは、仕事をこなす妨げになるほど厳しいポリシーであってはならない。
働き方の変化が自分の世界に与える影響を受け入れ、会社の上層部との対話を通して目指すべき方向性を見つけ、自社のIT戦略をそれに沿わせることが重要だ。そして従業員が仕事をこなす助けになる技術やポリシーを導入すると同時に、データの保護とセキュリティを確保しなければならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握 -
製品資料
[株式会社マクニカ] 「脆弱性総まとめ」解説 被害事例から考える必須の対策ポイント -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには -
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」完全ガイドブック:メリットから資格取得のポイントまで -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] はじめての「自治体/官公庁入札」 必要な知識がすぐに学べる入門ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
「Linuxサーバの長期運用とRed Hat Enterprise Linux」に関するアンケート
-
5
「世界一給与にハングリー」な日本のエンジニアが“雇用の安定”を求める理由
-
6
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
7
「攻撃側にナイフ、防御側にパン」 OpenAIの10億ドル支援に潜む危うさ
-
8
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
9
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
10
「HDD終了」は本当か 巨大クラウド2社が下した大容量フラッシュへの決断
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー