過剰な警告にかえって危機感がマヒ
「またパスワード変更?」、IoTでも“セキュリティ疲れ”が深刻化する理由
モノのインターネット(IoT)が浸透する中、セキュリティ強化を叫ぶ声はますます大きくなっている。しかし、やるべきことが多過ぎてユーザーはかえってセキュリティアップデートに無頓着になっている。
私たちの日常ではデジタルシフトが進んでいる。その結果、「定期的にパスワードを変更して同じものは使用しない」「オンラインアカウントでは確認の段階を複数踏むようにする」など、インターネットのプロファイルを遅れることなく定期的に保護するためのメッセージを数多く目にするようになっている。しかし、定期的にリマインダーが表示され、毎日のように新しいハッキングや侵害が報告される中、多くの人はオンラインセキュリティを最新に保つことにかえって無頓着になってしまっている。そして、セキュリティを積極的に確保するのではなく、問題が起こってから対処しようと考えている。いうなれば“セキュリティ疲れ”だ。
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IoTセキュリティにまつわる新たな技術
攻撃者の知識と経験は日ごとに増し、新しい「モノのインターネット(IoT)」プラットフォームが続々と現れている。そのため、侵害を受けてからインターネットの安全について考えるのでは遅いのだ。2012年のLinkedInに対するハッキングが数カ月前に再燃したことを考えると、情報は数秒で盗まれ、攻撃者はその情報を使用するまで何年間も保持する可能性がある。
ただし、ユーザーが自分の力だけで自衛することはできない。Dashlaneが開発した受信メールの監視ツールである「Dashlane」によると、平均的な米国人は1つの電子メールアドレスで130個のオンラインアカウントを登録しているという。理想的なITセキュリティの世界では、130個の異なるバスワードが全て定期的に変更され、二度と再利用されていないことになる。しかし、実際にはこれは不可能だろう。単純に言って、デバイス、アカウント、パスワードの数があまりに多い。
オンラインのセキュリティを確保しつつ、セキュリティ疲れを防ぐために何ができるのだろうか。まず、インターネットに接続するデバイスやオンラインプラットフォームのメーカーとプロバイダーは責任の一部を負い、提供している製品のセキュリティを確保しなければならないだろう。それが日々の生活に欠かせない製品であればなおさらだ。つまり、最初から積極的にセキュリティ施策を取り入れる必要があるということだ。
より強い監視に尽力する
製品を顧客に売った後にインターネットサポートが事実上存在しない“売り逃げ”という考え方を持っている企業は少なくない。これは特に、ベビーモニターやカメラのような最近になってインターネット機能が搭載された低価格の製品で顕著に見られる。だが、インターネットに接続した監視カメラにアクセスして北米中の主要なWebサイトを標的にした近年のDDoS攻撃(サービス拒否攻撃)が示すように、製品を売っておしまいにできないことは明らかだ。メーカーは製品のライフサイクルを通じて監視とサポートを行い、製品のアップデートを提供することに全力を尽くすべきだ。そしてもちろん、サイバー問題が発生したらリアルタイムでサポートしなければならない。
開発段階から安全の施策を実装する
インターネットに接続する製品が増えるにつれて、今までコードを記述して開発を行う必要のなかった企業は、開発者を雇用したり、プラットフォームを構築するために他の企業に外注したりすることを余儀なくされている。メーカーが最善の製品を提供するには、セキュリティが最も強力な最新の開発手法について知識を深め、新設した開発部門にその手法を導入しなければならない。また、作業を外注する場合は、外注先がその手法を使用して開発していることを確認する必要もある。古参のチームについても同様だ。自社の開発者が開発段階から安全な手法を選んでいることを確認しなければならない。
透明性のある運営をする
最も重要なこととして、企業は透明性のある運営に努めなければならない。サイバー攻撃が日常的に起こる世界では、企業がしっかりと攻撃に対応していれば、消費者は攻撃を受けた企業を許すことができる。消費者の許しを得る上で鍵となるのは透明性だ。どんな攻撃であれ、企業はそれを受けていることに気付いた時点ですぐ顧客に知らせる必要がある。そして、侵害された可能性のある情報について、できるだけ多くの情報を提供するのが望ましい。さらに、疑問や不安を抱えた顧客へのサポートも必要だ。
オンラインの世界では、ユーザー自身も責任を持つ必要がある。だが、インターネットに接続されたデバイスが日々増加し、セキュリティ疲れがはびこる今、まずIoT機器メーカーとサービスプロバイダーが自社製品に責任を持つことが重要だ。セキュアなデバイスを作り、製品のライフサイクルを通じたセキュリティサポートを提供し、透過性を持って運営するといった本質的なことに全力を注がなければならない。
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