機密情報を保護するFPEに着目
IoT時代のセキュリティ、最優先課題はデータ保護(1/2 ページ)
IoTは、新ビジネスの創出、ビッグデータを活用したスマートな意思決定の実現で大きな可能性を秘める。だがIoTを進める際は、セキュリティを最優先事項に据え、デバイスが得た機密情報を保護するよう徹底すべきだ。
企業所有のインターネット接続型デバイスをターゲットにした最近のサイバー攻撃により、IoT(モノのインターネット)のセキュリティリスクに注目が集まっている。こうしたセキュリティリスクはIoTに本来備わっているもので、企業に影響を及ぼしかねないものだ。近年IoTのエクスプロイト(悪意のあるプログラム)が増えている。その例はコネクテッドカーへのハッキングやIoT関連のセキュリティ侵害など多岐にわたる。だが、何千ものIoTセンサーやIoTデバイスをネットワークに接続しようと考えている企業にとっては、こうしたエクスプロイトは始まりにすぎない。Gartnerによると、2020年までに登場する新しい主要ビジネスプロセスやビジネスシステムの半数以上に、IoTが何らかの形で組み込まれるという。IoTはプロセスの最適化や貴重な洞察の収集に大きなメリットをもたらす。だが、インターネット接続型のデバイスは膨大な情報をもたらす一方で、セキュリティの課題を数多く露呈し、攻撃者の新しい侵入ポイントにもなる。
最近の事件が示しているのは、IoTを扱うならセキュリティを後回しにしてはならないという教訓だ。インターネット接続型デバイスを使用する企業は真っ先にセキュリティを構築しなければならない。ネットワークやバックエンドサーバのセキュリティを確保するだけではもはや十分ではない。企業に求められるのは、インターネット接続型デバイスのアプリケーションやデータを保護するだけでなく、検出と対策を組み込んで迅速なリスク緩和を可能にする総合的なアプローチだ。
IoTのリスクについて
約10年前、BYOD(私物端末の業務利用)によってそれまでのネットワークセキュリティは一変した。企業の境界は曖昧になり、それまでの攻撃対象領域が未知のモバイル領域へと広がった。現在、企業でのIoTデバイスの出現によって、これと似た混乱が起きている。だが、そのリスクは比べものにならないほど大きい。オフィスドアの鍵、サーモスタット、ゴミ箱、電球など、ありとあらゆるモノがインターネットに接続されるためだ。このような大量のデバイスを保護すること自体、気が遠くなるような話だ。だがIoTによってかつてない量のデータがもたらされるようになると、これまでとは全く違った様相を呈する。
企業はこうした新しいデータを全て管理および保護する方法を考えなくてはならない。その際に欠かせないのは、データを収集しているデバイス、そのデバイスが収集しているデータの種類、収集したデータを集約する方法、さらにそのデータが攻撃者にとって価値があるかどうかを特定することだ。そのデータ単独では攻撃者にとって価値がなくても、他の情報と組み合わせると非常に機密情報になるデータがあることを知っておく必要がある。多くの場合、企業のデータ保護はこの辺りから適切さを欠くようになる。
例として医療データを考えてみる。インターネット接続型の血圧計が読み取ったデータだけを入手しても攻撃者にとって価値はないが、これに患者の名前が結び付くと慎重に扱う必要のある個人情報になる。患者名と医療記録の両方が漏えいする恐れがあると、IDの盗難につながるだけでなく、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)の規制にも違反することになる。こうした情報の安全性を確保するため、企業は機密データをできるだけ発生場所の近くで暗号化し、侵害されても攻撃者が利用できない状態にしなければならない。さらに、攻撃者がデータを改ざんしないように血圧計自体も保護する必要がある。データが改ざんされれば臨床ケアに影響があり、患者に害が及ぶ恐れがある。
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