全社横断的なデータ活用を進める東急不動産HDの事例や、ログ分析の効率化を図る九州工業大学の事例、お天気アプリ「ウェザーニュース」の企業向け新サービスなど、データ分析の主要なニュースを紹介する。
セキュリティ対策やBCP(事業継続計画)など、さまざまな目的でデータ利活用を進める動きが組織の間で広がっている。本稿は、全社横断的なデータ利活用を進める東急不動産ホールディングスの事例や、ログ分析による異常通信検出の効率化を図る九州工業大学の事例、企業における気象情報の活用を促進するウェザーニューズの新サービスなど、データ分析に関する主要なニュースを3本紹介する。
東急グループの不動産事業を統括する東急不動産ホールディングスは従来、Microsoftの表計算ツール「Microsoft Excel」を使い、事業ユニットごとに経営データをまとめていた。そのためデータが散逸しがちで、経営状況の把握に時間がかかっていた。手作業によるデータの取りまとめも負担だった。この状況を改善するため、同社は2021年に、ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーであるウイングアーク1stのクラウドDWH(DWH=データウェアハウス)「Dr.Sum Cloud」を導入。Excelを使って月次でまとめていた各事業ユニットのデータを日次で把握できるようになり、年間約1080時間分の作業が削減できた。同社は2020年に、施設の稼働状況を可視化する目的でウイングアーク1stのBIダッシュボード「MotionBoard Cloud」を導入済みであり、MotionBoard Cloudとの連携実績のあるDr.Sum Cloudを選定した。(発表:ウイングアーク1st<2022年9月30日>)
サイバー攻撃の兆候を捉えるべく、九州工業大学は精度を落とさずシステムのログを分析し、通信の異常を検出できる手段を探していた。限られた予算の中で導入できる手段を検討し、セキュリティベンダーPipelineのログ分析ツール「DatalaiQ」を導入した。保存するログ容量に合わせた課金体系であり、導入時のコストを抑えやすい点を評価。ダッシュボードを用いて視覚的にログの管理と解析ができる点も、導入を後押しした。同校はDatalaiQを利用し、複数の機器で発生するログを一元的に収集・解析することで、セキュリティ対策を効率化する。セキュリティシステムの構築を手掛ける東陽テクニカが、DatalaiQの導入を支援した。(発表:東陽テクニカ<2022年9月29日>)
気象情報大手のウェザーニューズは、法人向けSaaS(Software as a Service)「ウェザーニュース for business」の提供を開始した。ウェザーニュース for businessは、個人向けの気象情報アプリケーション「ウェザーニュース」で、ユーザー企業のニーズに合わせた気象情報を確認可能にする。ユーザー企業の従業員は、ウェザーニュースのユーザー企業専用ページやプッシュ通知を用いて気象情報を確認することで、現場における気象リスク把握や対処がしやすくなる。専用ページは、小売業の受発注向けや電力会社の送電線管理向けといった標準テンプレートから選択可能。プッシュ通知のコメント内容や、通知条件(風速や雨量などのしきい値)はカスタマイズが可能だ。同社の法人向け気象データ分析サービス「WxTech」が提供する停電リスク予測や日射量予測といった気象データを取り込むこともできる。料金は1ユーザー当たり月額980円(税別)からで、30ユーザーから利用可能。料金は機能のカスタマイズによって変動する。(発表:ウェザーニューズ<2022年9月28日>)
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