「Galaxy Note 7」で信頼を大きく損なったSamsung Electronicsが、2017年に主力製品「Samsung Galaxy S8」と「Samsung Galaxy S8 Plus」をリリースする。両機種をレビューした。
Samsung Electronicsに必要なのは1つの成功だ。世界最大のスマートフォンメーカーであるSamsungは、「Galaxy Note 7」の失敗によって信頼を大きく損なうことになった。朗報は、Samsungがその点を十二分に認識しているだけでなく、信頼性の問題に真正面から取り組んでいる様子がうかがえることだ。2017年3月末にTechTargetがSamsungに対して行ったインタビューで同社が真っ先に口にしたのは誓いの言葉だった。高負荷のテストと厳しい基準で構成される作業を増やすことで、同じようなことがニ度と起こらないようにしているという。決して平たんな道ではないが、Samsungは世間の認識を変える方向に進んでいるようだ。
世間の認識を変える上で大きな役割を果たすことが予想されるのは、Samsungが2017年にリリースを予定している新しい主力機種の「Samsung Galaxy S8」と「Samsung Galaxy S8+」だ。これらの2機種は同社の誓いを体現しているように見える。これらの機種は単純にスペックを向上させた更新版ではなく、デザインを一新し、「Infinity Display」のエッジスクリーンを採用することで、本体のサイズを大きくすることなく、ディスプレイの画面領域を拡大している。Samsungが新たに考案した音声アシスタントの「Bixby AI」が搭載され、生産性向上に役立つ「Samsung DeX」も用意されており、驚くほど魅力的なパッケージになっている。
Galaxy S8は素晴らしい機種に仕上がっているように見えるだけではない。世間の注目を浴びながら再起を目指すSamsungの取り組みにおいて必要な解決策になる可能性を秘めている。
Galaxy S8を見て最初に思うのは、この機種が全面ディスプレイであるということだ。Galaxy S8とGalaxy S8 Plusは、どちらも物理的なホームボタンと装飾の廃止によって、Infinity Displayのエッジスクリーンの搭載を実現している。本体がかさばるのは嫌だが大画面が良いというユーザーにとっては非常に喜ばしいことだろう。Galaxy S8とGalaxy S8 Plusには、それぞれ5.8インチと6.2インチのクアッドHDのディスプレイ(解像度2960×1440)が搭載されている。にもかかわらず、8.0ミリ(156グラム)および8.1ミリ(173グラム)という紙のように薄いフォームファクターを維持しているのは素晴らしいの一言に尽きる。画面に関するスペックを前モデルの「Galaxy S7」と比較すると、Galaxy S8は本体のサイズを維持しながら画面領域を実質的に0.3インチ拡大していることになる。
TechTargetは、物理ホームボタンが廃止されることで、落ち着かなくなるのではないかと考えていた。だが実際に手に取ってみると、予想していたほどの違和感はなかった。物理ホームボタンの代わりに、静電容量性タッチディスプレイが搭載されているが、このディスプレイの押し心地は非常に良い。短時間だがGalaxy S8を使った際には、デジタルホームボタンに触れたり押し込んだりすると、その感触が実にはっきりと伝わってきた。今後発生することが予想される唯一の問題は、Galaxy S8を見ずに操作するのがやや難しくなることだろう。Galaxy S8から目を離すと、少しホームボタンを見つけづらくなる可能性がある。とは言うものの、フィードバックのおかげでホームボタンに触れたことは感じ取れる。これは時間の問題で、指と手がホームボタンの位置を記憶すれば気にならなくなるだろう。
ただし、もっと深刻な問題になり得ることがある。それは、物理ホームボタンの廃止によって、指紋センサーがGalaxy S8の背面に移動したことだ。指紋センサーが背面カメラの右側に配置されるという不可解な現象が発生している。公平を期して言うと、指紋センサーを徹底的にテストする時間は取れていない。しかし、この位置ではカメラレンズが指紋で汚れる恐れがあるため、このような配置をSamsungが選んだことは理解に苦しむ。指紋センサーの新しい位置には不満を感じるかもしれないが、ジェスチャー機能がフル装備されていることには満足するだろう。ユーザーは独自にジェスチャーを作成して、特定のアプリを開くジェスチャーをプログラミングすることも可能だ。幸い、Galaxy S8とGalaxy S8 Plusには、虹彩スキャナーと顔認証機能も用意されている。そのため、ユーザーは指紋センサー以外の生体認証機能も使用することができる。
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