業務におけるスマートフォンやタブレットの利用がごく当たり前となった現代では、「いやうちはまだ導入しない」と拒んできた企業でも無線LAN環境のオフィス導入を検討せざるを得ないだろう。この連載では、有線LANと同じ伝送能力を発揮する「802.11ac Wave2」をオフィスに導入するために必要なポイントを紹介する。
「802.11ac Wave 2」(無線LAN規格「IEEE 802.11ac」のフルスペック実装)に準拠した無線LAN製品を導入すると決めたら、まずは無線LANアクセスポイントを「何基」「どこに」「どうやって」設置するかを検討する。ここで検討する3大要素が、オフィスに導入した無線LANの使い勝手に大きく影響する。用意するアクセスポイントの基数は接続するクライアント機器の台数と部屋の大きさに依存する。クライアント機器の数は一般に従業員数×3程度を見込んでおく。これは、従業員1人でスマートフォン、タブレット、クライアントノートPCを使う可能性を考慮している。
これに対してアクセスポイントの「同時接続台数」は、シングルラジオのアクセスポイントで最大20〜30台程度、デュアルラジオのアクセスポイントで40〜60台程度というのがビジネス向けモデル標準スペックだ。シングルラジオとデュアルラジオという用語は聞き慣れないかもしれないが、これは以下の仕様を表している。ビジネス向けのアクセスポイント製品では必ず明示している。ちなみに802.11ac Wave 2が利用するのは5GHz帯のみだが、802.11ac Wave 2準拠のアクセスポイントは、2.4GHz帯を利用する他の無線LAN規格「IEEE 802.11b/g/n」にも準拠していることがほとんどだ。
予算との兼ね合いだが、可能なら柔軟性の高いデュアルラジオタイプを選びたい。なお、シングルラジオの30台とデュアルラジオの60台という最大の同時接続台数は理論的上限に近く、実際の運用は少ない場合があるので、もう少しゆとりを持って25台もしくは50台当たりで見積もっておくのが無難だ。
なお、個人向け製品は低価格であるが、同時接続可能数はデュアルラジオの場合でも10台程度ということが珍しくない。従業員10人のオフィスで30台程度のクライアント端末接続を考える場合、最低でも3基、実際には4、5基を分散配置しないとうまく使えない。こうなるとアクセスポイントの配置とゲートウェイまでネットワークケーブルをつなぐ配線の手間、そして、後々のメンテナンスコストまで考慮するとオフィス向けアクセスポイントより高くつくケースが少なくない。
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