ネットワークに数年も潜伏するマルウェアも検出
情報セキュリティ侵害検知システム(BDS)の選び方、要らない機能を見極めるコツとは(1/2 ページ)
サイバー攻撃を自動検出するシステムは、機械学習や人工知能(AI)が発達を続ける今日にあっては不可欠なものだ。自社のネットワーク環境に応じた、情報セキュリティ侵害検知システム(BDS)を選ぶ方法を学ぼう。
ネットワークのセキュリティ侵害はもはや日常的に発生している。マルウェアや悪意のあるシステムは、昨今のネットワーク環境で人工知能(AI)を日常的かつ効果的に使用し、侵害の手口を巧妙化させていると推察される。一方セキュリティの専門家たちはようやく、機械学習など、攻撃者と同様のテクノロジーを利用して、システム侵害への対抗策を講じ始めたところだ。
攻撃者はインテリジェントな自動化ツールを使用して、パブリックIPアドレスの範囲、ネットワークポート、ネットワークセキュリティの防御策などを絶えずつつき回し、突破口を探す。各国政府は、企業や政府のシステム(の防御策)に対して巨額を投じている。こうした努力にもかかわらず、高度で永続的な脅威や進化したマルウェアが企業システムに潜入する例は増えている。大抵の場合、脅威やマルウェアはネットワークに侵入し、検出されるまで数カ月あるいは数年もその中で潜伏を続ける。この種の事件の報道は後を絶たない。米Yahoo!ユーザーの10億件以上のアカウント情報が流出した大惨事は、最近発覚したデータ流出事故のほんの一例だ。だから、ネットワーク侵害の検出システムが非常に重要となる。
ネットワーク侵害の検出システムを解き明かす
ネットワーク侵害の検出システムは、「情報セキュリティ侵害検知システム(BDS: Breach Detection Systems)」や「アクティブ脅威検出システム(ATD:Active Threat Detection)」とも呼ばれ、ネットワークに潜む脅威を特定する際に非常に重要な役割を果たす。BDSへの投資を検討するに当たって、まず利用可能な機能を把握しなければならない。
BDSは、ハードウェアまたはソフトウェアの製品で、ネットワーク内で既に動作している、アクティブな脅威や攻撃を検出するものだ。こうした脅威を検出した場合、BDSはITセキュリティグループに通知を送信するので、セキュリティの担当者は脅威に対処できる。今こそ、あなたの組織でネットワーク侵害の検出システムを配備しているかどうかを確認するのに最適なタイミングだ。
BDSはアルゴリズム(問題解決のための数学的な式)とアナリティクスを追加して、静的シグネチャやルールに基づく既存のアプローチの機能を超えようとしている。
「こうした新しい手法は、ユーザー、ネットワーク、ホスト、アプリケーションのいずれかが怪しい挙動を見せた際に、それを検出するものだ」と話すのは、調査会社Gartnerでセキュリティ分野を専門とするリサーチディレクター、エリック・アールム氏だ。「アルゴリズムを使ってそうした挙動を監視すると、まだ知られていない種類の攻撃を検出する可能性が格段に高まる。シグネチャやルールでは、このようなことはできない。アルゴリズムを使えば逸脱した挙動を統計的に検出できるし、既知の挙動と現在のそれとの比較もできる」――これは、ホワイトリストやデータポリシーなどの、従来の手法が改善されていることを意味する。つまりBDSシステムでは今もなお、こうした手法を採用し、リスク評価と併用しているのだ。
侵害検出ツールの効果
BDSは、製品によってその強みの方向性がさまざまに異なる。ユーザーおよびエンティティー行動分析(UEBA: User Entity Behavior Analytics)ではユーザーの挙動に注目する。この場合ユーザーには、人間、マシン、システムの全てが該当する。UEBAの展開方式として、ネットワークベースのシステム、ホストベースのシステム、または両者を組み合わせるという3種類が可能だが、通常は2つの方式を組み合わせるのが最適とされる。
ネットワーク挙動分析(NBA: Network Behavior Analysis)製品で高機能なものは、深層にまで至るパケットの検査、機械学習、統計分析、脅威インテリジェンスなど(のデータ)を集計して、ネットワークの挙動について悪意が疑われる部分や異常な部分を検出する。NBAはBDSの一種と考えることができる。
一方、エンドポイントを検出し応答する製品もネットワーク侵害の検出を実行する。こうしたエージェントベースのツールは、OSやアプリケーションの挙動などのエンドポイントで発生する事象に注目する仕組みになっている。
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