ネットワーク分離は有力なセキュリティ対策ではあるものの、導入や運用に掛かる負担をどう軽減するか、従業員の利便性をどう確保するかが悩みどころだ。その解決策を探る。
企業や組織にとって、インターネットの活用による利便性向上は、それと引き換えに情報セキュリティリスクの増大という重要な課題をもたらした。巧妙化・複雑化するインターネットの脅威への対策と、利便性の維持。トレードオフの関係にある両者のバランスを保つことは、あらゆる企業、組織にとって永遠の課題だといえるだろう。
連載第1回「古くて新しい『ネットワーク分離』が“要注目技術”に返り咲いた理由」で紹介した「ネットワーク分離」という情報セキュリティ対策は、企業や組織のシステムやネットワークを強靭(きょうじん)化できる有効な手段だ。ただし他のセキュリティ対策と同様、ネットワーク分離の採用によって、管理者の管理負荷が増大したり、現状のシステムで従業員が得ている利便性を少なからず損なったりする可能性は否定できない。
幸いなことに、企業がネットワーク分離のセキュリティ上のメリットを享受しながら、管理者の負荷軽減や従業員にとっての利便性維持につながる製品/技術が充実し始めた(図)。本稿では、その最新動向を整理する。
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