無視できない価格差を超えて
最高級2-in-1「Lenovo Yoga 920」のスペックで測れない値打ちとは?(1/3 ページ)
Lenovoの「Yoga」シリーズの最高級2-in-1ノートPCとなる「Yoga 920」。Intelの「Core i7-8550U」を搭載した段違いのパフォーマンスとは。
Lenovoの「Yoga」シリーズは一般消費者向け2-in-1ノートPCだ。Yogaシリーズは、ミッドレンジの「Yoga 700」とハイエンドの「Yoga 900」の2段階構成になっている。本稿でレビューしたLenovoの「Yoga 920」は、シリーズ最高級2-in-1ノートPCだ。このことは、最低価格でも1329ドル(日本では税込み15万2183円《税込》)という非常に高額な設定になっていることから分かる。この価格を投じれば、あらゆる付加機能が備わった非常に高品質のデバイスが手に入る。さらに興味深いことに、Yoga 920にはIntelの第8世代「Coffee Lake」クアッドコアプロセッサが搭載されている。Yoga 700または900シリーズにクアッドコアプロセッサが内蔵されるのは初のことだ。レビューに使用したYoga 920にはIntelの「Core i7-8550U」が組み込まれている。本稿のベンチマークテストでは、このプロセッサが前世代のIntel製プロセッサに比べて、パフォーマンスがかなり優れていることが明らかになった。
Lenovoの13型「Yoga 720」と本稿でレビューしたYoga 920の主な違いはデザインにある。どちらのノートPCもサイズと重さはほぼ同じだ。だが、Yoga 920にはLenovoの象徴的な「ウォッチバンドヒンジ」が採用され、全体的に洗練された印象を受ける。Yoga 920にはバッテリーも高性能のものが搭載されている。だが、それ以外の技術仕様はYoga 720と変わらない。
1080pディスプレイ、Core i7-8550Uプロセッサ、8GBのメモリ、512GBのSSDを搭載したYoga 720は、本稿執筆時点のLenovoのWebサイトでは1299ドルで販売されている。これと同じスペックのYoga 920は1549ドルだ。ほとんどのユーザーにとっては、この価格差は無視できない。だが、Yoga 920だけに用意された一部の特徴は一考に値する可能性がある。本稿ではそれを検証していく。
構造とデザイン
Yoga 920はデザインを優先したデバイスだ。どの角度から見ても見栄えが良くなるようデザインされている。これは実現されていると言って間違いないだろう。カラーバリエーションにはプラチナ、ブロンズ、ダークグラファイトの3色が用意されている。レビューに使用したYoga 920のカラーはダークグラファイトだ。底面パネルも含め、筐体全体がこのカラーで統一されている。
Yoga 920の外面は金属製だ。非常に頑丈な感触があり、湾曲しそうな箇所は全くない。特にカバーの堅さには注目だ。
Yoga 920の薄さはTechTargetでこれまでレビューしてきたノートPCと遜色がない。カバーを閉じるとわずか13.95ミリだ。筐体の幅は323ミリで、13.9型ディスプレイを搭載したノートPCとしては標準よりもスリムになっている。これは非常に狭いディスプレイベゼルによるところが大きい。だが、奥行きは223.5ミリと予想よりも少し深めだ。Yoga 920のヒンジ構造がやや余分に広いスペースを必要としているのではないだろうか。この奥行きの深さには思いがけないメリットもある。ディスプレイの位置が若干高くなり、画面が見やすくなるのだ。720pのWebカメラはもちろんディスプレイ上部に配置されている。
Yoga 920には失敗している部分もある。ディスプレイを片手で開けないことだ。ハイエンドのYogaノートPCでは入り組んだウォッチバンドヒンジが以前から定番になっており、このヒンジが片手で開くには少し固過ぎる。ただし、Yoga 920をタブレットに変える場合にはこのヒンジが非常に効果的に機能する。動作が滑らかで十分な回転量があるため、カバーを筐体の底面にぴったりくっつけた状態に保つことができる。もっと安価なYoga 720には2つの四角形ヒンジが採用されている。これはウォッチバンドヒンジほどの飾り気はないが、同レベルの機能性が備わっている。
約1.37キロという重さは軽いとはいえない。金属構造でかつ2-in-1ノートPCであることが重さに関係しているのだろう。Lenovoのビジネス向け「ThinkPad T470」でさえもっと軽い。ただ、2-in-1ではない。競合する2-in-1ノートPCのHewlett-Packard(HP)の「Spectre x360」は約1.31キロだが、こちらはディスプレイが半インチ小さい。いずれにせよ、Yoga 920がAppleの「iPad」などのタブレットの代わりになると考えるのは賢明ではないだろう。これは間違いなくノートPCであることを優先したデバイスだ。2-in-1ノートPCがタブレットの代わりになるかどうかの考察については、TechTargetジャパンの記事「『2-in-1ノートはタブレットの代わりになるか』は愚問? 思い出したい “決定的な違い”」を参照してほしい。
Yoga 920のデザインに関しては気に入らない点がある。筐体の縁がやや鋭角になっていることだ。角の形状も許容し難い。縁の周辺を幾分面取りをしていればこの問題は軽減されていただろう。縁でけがをする危険性があるとまでは言わないが、もっと滑らかな形状にすべきだったという印象は拭えない。興味深いことに、カバー周りの縁は全く問題ないと感じる。
Yoga 920の分解は試みなかった。筐体の底面パネルは多数の星型ネジで固定されている。これらを取り外せば底面パネルを外せるのではないだろうか。ただし、くどいようだが試してはいない。底面パネルを外してアップグレードできる可能性がある要素はM.2ストレージドライブのみだ。Yoga 920のメモリ(RAM)はマザーボードにはんだ付けされているため交換できない。
入力端子と出力端子
Yoga 920には端子の種類が豊富に用意されているわけではない。
左側面には2つのThunderbolt 3(Type-C USB)端子と、ヘッドフォン/マイク兼用ジャックが配置されている。Yoga 920の電源アダプターはこのいずれかのThunderbolt 3端子に接続する。どちらも充電に使うことが可能だ。
筐体の右側面には電源ボタンの他、最後の端子となる従来のType-A USB 3.0端子がある。
何か足りないものがあるかと聞かれたら、これ以外のほぼ全てというのが答えだ。Yoga 920でビデオ出力機能を使うには、Type-C USB端子用のアダプターを購入しなければならない。Lenovo.comではLenovoの「Lenovo USB Type-C - HDMIアダプター」が35ドル(日本では3780円)、「Lenovo USB Type-C - DisplayPortアダプター」が40ドル(5940円)でそれぞれ販売されている。お勧めは75ドル(1万260円)の「Lenovo USB Type-Cトラベルハブ」を購入することだ。このハブはHDMI出力とVGA出力に加え、イーサネット端子とType-A USB端子も備えている。Yoga 920自体にType-A USB端子がもう1つと、ビデオ出力の形式が少なくとも1つ用意されていれば便利だったことは間違いない。今後Type-C USB端子が中心になっていくことには大賛成だ。とはいえ、業界がまだその流れにそれほど追い付いていない。詳しくは、「『これしかないMacBookはかえって不便』──USB Type-Cの普及を阻むPCベンダーの勘違い」をご覧いただきたい。
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