Lenovo製2-in-1タイプのYogaシリーズ新作は、前作Yoga260から第7世代CPU搭載、バッテリー増加と確実な進化を遂げている。グラフィックスや重量など気になる点も含め徹底レビューする。
Lenovoの「ThinkPad Yoga 370」は、これまで通り、2系統の製品の長所を融合したデバイスで、Yogaシリーズの柔軟性と、ThinkPadシリーズのパフォーマンスと信頼性を兼ね備えている。市場にはこのノートPCよりも薄く、特徴的な製品は確かにあるが、ノートPCに求められるほぼ全ての要件を満たせる生産性の高いデバイスは他にはない。あらゆる面で優れたデバイスを探しているなら、高品質のThinkPad Yoga 370を検討してみてはどうだろう。
ThinkPad Yoga 370は同社の「ThinkPad X1 Yoga」と外観がよく似ていて、既視感を禁じ得ない。だが、これは悪いことではない。これまで愛されてきたシンプルで光沢のあるX1のデザインが、Yoga 370にもしっかりと受け継がれているともいえるからだ。
黒(またはシルバー)のカーボンファイバー製で、格調高い外観を持つ。カーボンファイバーは持ちやすく、長時間のタイピングでも手首への負担が少ない。画面カバーの角がノートPC本体に流れ込むように丸みを帯び、滑らかさの演出に一役買っている。カバーの右下隅には黒のLenovoロゴが、左上隅にはおなじみのThinkPadロゴが配置されている。
ThinkPadシリーズのお決まりとして、本体の右下隅にある指紋スキャナーの隣にもThinkPadロゴがある。キーボードが本体表面の大半を占めている。電源ボタンは本体右側面にあり、タブレットモードでも簡単に操作できる。360度回転のヒンジのおかげで画面の折りたたみも簡単で、ノートPCとタブレットのモード切り替えもスムーズに行える。
この13型2-in-1デバイスは、競合するノートPCよりもややがっしりとしている。サイズは313.5(幅)×222.2(奥行き)×18.2(高さ)ミリ、重量は約1.38キロになる。この重さは、やや大型の14型ディスプレイを備えたThinkPad X1 Yogaの約1.36キロとあまり変わらない。ThinkPad Yoga 370の大きな本体には幾つかメリットもある。例えば衝撃や振動など、MIL規格(米国防省ミル規格)の12種類の耐久テストに合格しており、構造の頑丈さは折り紙付きだ。
ThinkPad Yoga 370にはさまざまな種類の端子がある。デバイスの左側面には、電源コネクター、Appleの「Thunderbolt 3.0」をサポートするUSB Type-C端子、イーサネット拡張コネクター、USB 3.0端子がある。右側面には、セキュリティロックのスロット、HDMI端子、USB 3.0端子、microSDメディアカードリーダー、ヘッドフォンジャック、タブレットペンホルダー、電源ボタンがある。
ThinkPad Yoga 370は、2048段階で筆圧検知をサポートするLenovoの「ThinkPad Pen Pro」タブレットペンも備えている。本体にはタブレットペン専用の収納ホルダーがあり、収納時に充電される。著者が持った印象ではタブレットペンはやや小ぶりで、筆記用具というよりは、ゴルフのスコアやアンケート記載などに使うプラスチック製の携帯用鉛筆といった印象だ。
ディスプレイは13.3型FHD(1920×1080ピクセル)解像度のIPSディスプレイを搭載し、タッチ操作にも対応する。ディスプレイはかなり明るく、競合他社の製品と比べてもトップクラスの明るさを誇る。画像はくっきりと表現され、色の表現も鮮やかだ。色彩表現は、鮮やかなだけではなく精密度も高く、画像や動画の編集に適している。
ただ、視野角には制限があり、角度が60度を超えると色が徐々に白っぽくなり薄れていく。視野角に多少の難があるとしても、ディスプレイの全体的な品質の高さからすれば、十分引き換えになるだろう。
スピーカーの音量は大きく、会議室や適度な広さの部屋であれば、十分音が行き渡る。音質は優れているとは言いがたい。会議や日常の使用には問題がないが、オーディオファンは多少物足りなく感じるだろう。例えば音量を最大にした状態で、特に高音部または低音部を聞き取ろうとすると、スピーカーの音がひずむ。中音部は少し良くなるが、それでも全体的に音がこもるように感じられる。実用的なスピーカーだが、快適にオーディオを楽しむなら、ヘッドフォンか外付けスピーカーが欲しくなるだろう。
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