ハイパフォーマンスに磨きをかけ使い勝手向上
徹底レビュー:12.9インチiPad Pro、ノートPC時代を終わらせる完成形タブレットか(1/2 ページ)
初代をさらに高性能化し、ディスプレイなどを強化した2代目「12.9インチiPad Pro」(2017)は永遠に続くと思われた“ノートPC時代”に終わりを告げるのか。徹底レビューする。
Appleの2代目「12.9インチiPad Pro」(2017)は、ノートPCを「iOS」タブレットに持ち替えることを真剣に考えるユーザー向けの最新デバイスだ。もともと高速だった初代12.9インチiPad Proのパフォーマンスが大幅に高速化され、ストレージ容量が倍増し、ディスプレイも美しさを増している。だが、それ以外の多くの点には変わりがない。
構造とデザイン
あらゆるモバイルデバイスにいえることだが、機能を重視すれば、持ち運び易さが犠牲になる。そして、12.9インチiPad Proが重視したのは機能の強化だ。サイズは305.7(高さ)×220.6(幅)×6.9(厚さ)ミリ、重量は677グラム。その薄さは驚くほどだが、それ以外は、ハンドバッグに入れて軽々と持ち運べるようなサイズではなく、リュックサックなどの大きめのバッグが必要になる。
12.9インチiPad Proは、キーボードのないノートPCのディスプレイのような印象だ。ただし、キーボードの追加は簡単で、2-in-1タブレット/ノートPCとして市場に投入されている。12.9インチiPad Proの拡張キーボードは、Appleの「Smart Keyboard」を筆頭に数多く存在する。
外観は初代12.9インチiPad Proと変わらず、デザインの特徴も他のAppleのiOSタブレットと同じものが採用されている。角は丸みを帯び、最低限のボタンしかない。外観は洗練され、プロ仕様の製品を好むユーザーにとって魅力的なデザインに仕上がっている。
カラーバリエーションはシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色が用意されている。スペースグレイバージョンのみ、ディスプレイベゼルに黒を採用し、残りの2色は白になる。
Apple製品の構造は品質が高いことで有名で、12.9インチiPad Proも例外ではない。だが、実用性を確保しながらタブレットとしての薄さを極限まで追求しているのは確かだ。本稿のレビューに使用した12.9インチiPad Proは、本体を強く押したところ少し曲がったりたわんだりした。元の形に瞬時に戻るが、比較的曲がった状態になりやすいのではと感じられる。そのため、12.9インチiPad Proのスリムな形状を生かした頑丈なケースを用意し、損傷を防ぐことをお勧めしたい。
12.9インチiPad Proにはスタンドがないので、装着ケースはスタンド付きのものを選ぶと良い。本機は動画表示に最適なのだが、本体が倒れないように支えの追加が必要になる。また、12.9インチiPad Proを2-in-1ノートPCに変身させる拡張キーボードを装着することでも、この目的を果たせる可能性がある。
ディスプレイ
12.9インチiPad Proにはその巨体に見合う大型ディスプレイが搭載されている。そのサイズは、Microsoftの12.3型「Surface Pro」(2017モデル)やSamsung Electronicsの12型「Galaxy Book」といったどの競合デバイスも上回っている。2つのアプリを並べて表示しても余裕で作業できるだけの広さがあるため、高い生産性を確保できる。
12.9インチiPad Proに搭載されたディスプレイは、一部の要素については設計変更が加えられていない。解像度は引き続き2732×2048ピクセル、画素密度も264ppiと変わらない。また、画面領域が約515.5平方センチあることにも触れておくべきだろう。この広さは10.5インチ「iPad Pro」の約341.3平方センチに比べ5割増しになっている。
12.9インチiPad Proのディスプレイには新機能が組み込まれている。だが、劇的に改善されたわけではない。発表時にはAppleの「ProMotion」テクノロジーの採用が強調されていた。このテクノロジーにより、ディスプレイは1秒間に120回画面をリフレッシュできる。競合デバイスと比べると2倍の速さだ。リフレッシュレートが120Hzだと、長いWebページを下方向にスクロールした場合など、テキスト表示が非常に滑らかに動く。また、静止コンテンツを表示する際にはこのリフレッシュレートを24Hzまで下げることもでき、その場合はバッテリーが節約される。
この高速リフレッシュレートの効果にはオマケがあり、「Apple Pencil」の遅延時間が20ミリ秒に短縮される。以前のiPad ProモデルでApple Pencilを使ったときの遅延時間は明らかにされていないが、約50ミリ秒と推定されている。
また、12.9インチiPad Proにはこのサイズとして初めて同社の「True Tone」機能が採用された。この機能は、周辺環境に合わせてディスプレイの色を微妙に変化させるものだ。初代12.9インチiPad Proを並べて比較すると、ほぼ全ての状況で以前のディスプレイの方がかなり青みがかって見える。一方、12.9インチiPad Proのディスプレイは、Appleが保証する通り周辺環境とうまく調和する。そのため長時間楽に見続けることができる。
もっと明白な改善点として、バックライトの最大輝度が1.5倍になっている。輝度が400ニトから600ニトに跳ね上がったため、直射日光下でも非常に見やすくなっている。ただし、明るさを最大にするとバッテリーにかかる負担が大きくなる。詳しくは後述する。
端子、ボタン、スピーカー、カメラ
「iPad」シリーズはApple独自の「Lightning」コネクターを採用している。Lightningコネクターはデバイスの充電のみならず、さまざまなアクセサリーの接続にも使える。具体的には、フラッシュドライブ、SDカードリーダー、HDMIコネクター、VGAコネクター、ヘッドフォンなどを接続できる。また、イーサネットアダプターや外付けキーボードの接続に使用可能なUSB 3.0アダプターも用意されている。残念ながら、業界標準のUSB Type-Cは採用されていない。とはいえ、Lightningコネクターは使い勝手が良く便利だ。
iPad Proシリーズにしか組み込まれていない機能に「Smart Connector」がある。12.9インチiPad Proの場合は左側面に配置されており、Appleの「Smart Keyboard」との通信に使用される。また、他にもわずかではあるがSmart Connector対応アクセサリーが用意されている。Smart Keyboardは初代12.9インチiPad Pro用に設計されたものだが、新型iPad Proとも完全な互換性がある。
メモリカードスロットはない。だが、Lightningコネクターから接続して追加できる。
正式発表前には正反対の臆測が飛んでいたが、12.9インチiPad Proには従来の3.5ミリヘッドフォンジャックが用意されている。他にも、Appleの「iPhone 7」用に設計されたヘッドフォンを、12.9インチiPad ProのLightningコネクターに接続できることも確認した。
電源ボタンは上側面に、音量ボタンは右側面にそれぞれ配置されている。12.9インチiPad Proで最も便利なボタンはディスプレイ直下に組み込まれたホームボタンだ。iOSの操作に関するさまざまなタスクを実行できるだけでなく、Appleの指紋認証センサー「Touch ID」も内蔵する。指先が乾いていればTouch IDは適切に動作する。
iPad Proシリーズは全てスピーカーを4個搭載し、上側面と下側面に2個ずつ配置する。これらのスピーカーはいずれも利用者側を向いていないが、それでも本稿のテストでは十分な音量があることが分かった。比較的静かな環境で12.9インチiPad Proを使って映画を再生し、2人で鑑賞したところ、2人とも問題なく視聴できた。
タブレットを使って写真を撮ると笑われそうだが、ビジネス目的の写真撮影や映画撮影では頻繁に用いられている。4K動画を撮影できる絞り値1.8の1200万画素背面カメラが組み込まれているのはそのためだ。初代12.9インチiPad Proとは異なり、LEDフラッシュも用意されている。明るい場所でも薄暗い場所でも、実に奇麗な写真を撮影できた。
700万画素の前面カメラはMicrosoftの「Skype」やAppleの「FaceTime」で通話用として使うのであればオーバースペックだ。
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