東芝グループは、NVMeのラインアップに新しいSSDを追加し、NVMe SSDをストレージ本体にプールして共有できる新しいソフトウェア「KumoScale」を発表した。その狙いとは。
東芝メモリの米国子会社Toshiba Memory America(以下、東芝)は、最新の64層積層3次元NANDフラッシュ技術を使った新しいNVMe(Non-Volatile Memory Express) SSDと、「NVMe over Fabrics」(NVMe-oF)のためのストレージソフトウェア「KumoScale」を発表した。
東芝のNVMe SSDラインアップには、新たなシングルポートデータセンターSSDが、2.5インチU.2および22×110ミリM.2のフォームファクターで加わった。高性能、低レイテンシのNVMe技術を活用して、読み取り集中型のワークロードに対応する。
2.5インチNVMeベースPCI Express(PCIe)U.2 SSDの「CD5」シリーズは、容量960GBから7.68TBまでのラインアップを発売する。小型フォームファクターの「XD5」シリーズはスティックサイズのM.2 NVMe SSDで、容量3.84TBまでの製品を提供する。同社のデータセンター向けNVMe SSDはいずれも、オンライントランザクション処理(OLTP)、NoSQLデータベース、仮想化、ストリーミングメディア、ビッグデータ分析、モノのインターネット(IoT)といったアプリケーション用途で使う設計になっている。
「興味深いことに、従来型のフォームファクターは消えつつある。東芝はM.2を大量生産し、売れ行きは好調だろうと予想する。Hewlett Packard Enterprise(HPE)のサーバにはリモート管理用にM.2を搭載している。従来型のディスクドライブのように見える必要はないという認識が浸透し始めている」。調査会社Wikibonの最高技術責任者(CTO)デービッド・フロイヤー氏はそう解説する。
ネットワークファブリックを介したNVMeのメリットを拡張するため、東芝はNVMe SSDをストレージ本体にプールして共有できる新しいソフトウェア、KumoScaleを発表した。東芝がこのストレージソフトウェアを発売したのは2017年だが、2018年3月20日に製品名を発表した。東芝のNVMe-oFソフトウェア製品の専門技術アドバイザー、ジョエル・デドリック氏によると、日本語の「くも」には、クラウドと生物のクモの意味がある。
デドリック氏によれば、KumoScaleソフトウェアでは、直接接続型のNVMe SSDと同等か、それに近いパフォーマンスのネットワークストレージを提供できる。KumoScaleを使用すれば、SSDとサーバの数を減らしても、同じ作業をこなすことができると同氏は語る。
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