DockerとMesosphereにKubernetesが統合され、一般公開された。これは企業の注目を集める争点が、管理の容易さを重視する方向に移っていることを示す。
コンテナオーケストレーションを競うDockerとMesosphereの両社は、Kubernetesをサポートするという公約を果たした。これは、企業顧客がKubernetesを容易に管理できるようにするのが狙いだ。
Kubernetesが登場する前から、企業のコンテナ導入の選択肢としてDockerとMesosphereは競い合ってきた。このコンテナオーケストレーション企業両社が、スケジューラーに関する三つどもえの戦いに巻き込まれている。Dockerは「Swarmモード」を、Mesosphereは「Marathon」を、Kubernetesはその名に由来するアプローチを提供する。
2017年、Kubernetesはその支持を急激に広げ、コンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードの地位を得た。その結果、かつて競合していた両社がKubernetesを自社のコンテナ管理製品に統合することになる。2018年3月、Mesosphereは「Mesosphere DC/OS 1.11」でKubernetesをサポートした。その1カ月後、Dockerの「Docker Enterprise Edition 2.0」もKubernetesサポートをリリースすることになる。
企業はスケーラビリティと柔軟性を目的にKubernetesを標準化しようと努めてきた。だが、習得することが非常に多く、管理に細心の注意が必要だというこのプラットフォームの悪名高い課題に直面している。両社の製品は、こうした企業の絶えることない挑戦に乗じようとしている。
451 Researchでアナリストを務めるジェイ・ライマン氏は次のように語る。「大半の顧客はKubernetesの自力導入に四苦八苦し、失敗している。企業は、(継続的な)ライフサイクル管理、既存のネットワークやセキュリティ管理ソフトウェアとの統合、Kubernetesの導入に既存のITチームを利用できることを望んでいる」
DockerとMesosphereのKubernetesへのアプローチの違いで最も目立つのが、ユーザーインタフェースの統合だ。ITプロフェッショナルは、Docker Enterprise Edition 2.0を使って、1つのインタフェースでDocker SwarmとKubernetesが混在するクラスタを管理し、Kubernetesにアプリケーションを導入できる。このインタフェースでは、「Docker Compose」など、使い慣れたツールを使用する。
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