高い安全性とセキュリティがメリットだが……
ベンダーが言うほど「ブロックチェーンでネットワーク管理」が盛り上がらない理由
ブロックチェーンは、ネットワーク管理の手段として役立つ可能性がある。だからといって、ブロックチェーンに対するユーザーのニーズが高まるとは限らない。
仮想通貨「ビットコイン」の取引を支える安全な台帳システムとして誕生した「ブロックチェーン」。現在、ブロックチェーンの新たなユースケースが浮上している。
ブロックチェーンは、チェーンを構成する各ブロックに記録を作成して永続的に固定するように設計されている。そのためサプライチェーンのセキュリティ確保から、金融サービス資産のトークン化まで、さまざまな用途で役立つ可能性がある。ベンダー各社は、ブロックチェーンの売り込みに熱心だ。
ネットワークでブロックチェーンを使うことを勧めるベンダーも存在する。Cisco Systemsは、ブロックチェーンがネットワーク管理で果たす役割を宣伝している。具体的には、デバイスのライフサイクル全体にわたる全ての変更をブロックチェーンで記録することで、セキュリティの確保とIT資産の管理に役立てることができるという。
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ブロックチェーンを使ったIT資産管理
ブロックチェーンの問題とは
ネットワーク管理の効率を上げるブロックチェーン技術
ベンダーは、トランザクション(取引データ)を記録するブロックチェーンの分散型台帳が、高度に分散したネットワークの全変更を管理するための簡単かつ安全な方法だと主張する。ブロックチェーンの各ブロックが、特定のIT資産への構成変更を、タイムスタンプ付きの暗号ドキュメントとして記録する。最初のブロックがIT資産導入時の初期状態を表し、最後のブロックはIT資産が完全にオフラインになったときの構成を表す。
ネットワークでのブロックチェーンの使用を提案する理由は、ネットワーク内の各IT資産の証明可能かつ完全な構成履歴を記録できることにある。これにより、ネットワークからIT資産が取り除かれても、記録に一貫性が保たれる。そのためネットワークの現状に合わせて制御ルールを変更するセキュリティ機能の効率が上がる。
ブロックチェーンのニーズが高まらない理由
ブロックチェーンをネットワークライフサイクル管理に利用し、検証可能かつセキュリティの堅固な形式で、全てのIT資産の変更履歴を記録することには、確かに魅力がある。しかし実際には、そのニーズが高まるとは考えにくい。
分散型台帳を作成するには、かなりの開発作業が必要になる。ブロックチェーンを効率の高いネットワークサービスにするのに必要な標準化は、非常に難しい作業になるだろう。さらにブロックチェーンが対処する問題は、ほとんどの組織にとって最優先事項というわけではない。
規制が厳しい業界に所属する企業は、IT資産の構成変更について厳密な記録の保持が定められている。そのため既に構成管理データベースで信頼できる記録の仕組みを開発している。
ブロックチェーンは、ID管理の分野で重要な役割を果たす可能性がある。インターネットを使う全てのユーザーとデバイスIDのひも付けに、有益な方法をもたらすと考えられる。
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