組み合わせて機能を補う
モバイル端末のデータ漏えいを防ぐ「UEM」と「MTD」を使った2つの方法とは?
統合エンドポイント管理(UEM)は基本的なモバイルセキュリティ機能を備えているが、高度な対策を施すにはモバイル脅威防御(MTD)ツールとの連携が必要だ。
「統合エンドポイント管理」(UEM)だけでは、モバイルデバイスのセキュリティ対策は十分とは言えない。脅威を検出し、対策を講じるために必要な可視性が確保できないからだ。
UEMは通常、データ侵害のようなモバイルデバイスへの攻撃を追跡する機能を備えていない。そのためモバイルセキュリティを強化するには、UEMの他に、「モバイル脅威防御」(MTD)ツールを組み合わせる必要がある。
モバイルセキュリティ戦略の重要性
営業担当者や保守サポート担当者のようなユーザーは、モバイルデバイスを使用して業務を遂行することが少なくない。こうしたユーザーがモバイルデバイスを業務に使う場合は、企業ネットワークとアプリケーションに接続する必要があり、その際にセキュリティの脅威にさらされる可能性がある。
IT部門とユーザーの間には大きな認識の相違がある。調査会社J.Gold Associatesの調査によると、ユーザーの最大65%が「自分のモバイルデバイスにセキュリティの問題がある」と考えているが、「ユーザーのモバイルデバイスからデータが漏えいした」と考えているIT管理者の割合は約35%にすぎないという状況が判明した。
モバイルデバイスのデータ漏えいの状況を検知できるツールを導入している企業はほとんどない。これは大きな問題だ。かつては、盗まれる可能性のあるデータをモバイルデバイスに保存できる量は制限されていたが、近頃のモバイルデバイスで利用できるローカルストレージの容量は従来よりもはるかに大きい。このようなデバイスは、大規模な顧客データベースや個人情報などを保持できるため、ハッカーのターゲットになりやすい。
モバイルデバイスへの脅威に対するIT部門の対策
IT部門がデータ損失やその他の脅威からモバイルデバイスを保護する方法は2つある。UEMのセキュリティ機能とMTDツールだ。これらは補完的に使用できる。
企業が取るべき最低限の対策は、UEMのセキュリティ機能を使用した管理対象デバイスの追跡だ。UEMを使用すると、IT部門は次のような基本的なモバイルセキュリティ対策を講じられる。
- デバイスのパスワードの複雑さに関する要件設定
- デバイス内の全データの暗号化
- 個人データと区別するための「仕事用プロファイル」の作成
- 企業ネットワークに接続する際はVPN使用を強制する設定
- アプリケーションのインストール機能の制限または禁止(悪意のあるアプリケーションによる被害を最小限に抑えるため)
- OSのパッチとアップデートの検証、OSが最も安全なバージョンであることの確認
- マルウェアやその他のモバイルの脅威から保護する追加のモバイルデバイス用セキュリティアプリケーションのインストールと管理
企業は、悪意のある挙動を検出してモバイルデバイスを保護するアプリケーションの導入を検討する必要がある。代表的なベンダーはLookout、Zimperium、Cylanceなどだ。各社の機能は少しずつ異なるが、その主な目的はモバイルデバイスの動作を監視し、異常な挙動を特定して、セキュリティの問題やデータ侵害が発生するのを防ぐことだ。これらのアプリケーションは、OS固有のセキュリティ機能よりも高度な保護を実現し、企業のデータ損失リスクを軽減してくれる。
モバイル脅威を懸念している組織にとって効果的な選択肢の1つは、UEMとMTDツールの優れた機能を組み合わせることだ。MTDツールは、適切なセットアップと管理によってデバイスの内蔵機能を強化できる。これらのMTDツールの多くはUEMのセキュリティ機能にも連携できる。
この連携により、各ツールが単独で実行できるレベルよりも高度な監視とレポート機能が得られる。特に、業務用・個人用の区別なしにアプリケーションを自分のデバイスに自由にダウンロードすることが許可されている場合には効果的だ。UEMとMTDツールを組み合わせることで初めて可能になる複合的なデータ分析は、既存の脅威の検出と排除に不可欠だ。事後対策では数十万ドルあるいは数百万ドルもの費用がかかる可能性があるモバイルデバイスのデータ侵害を確実に防止したいなら、この手法は有効だ。
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