「AWS」「Azure」「GCP」で相次ぐ障害 クラウドを信じ切ってよいのかオンプレミスからクラウドに移行しても逃れられない

「AWS」「Azure」「Google Cloud Platform」で相次いでサービス障害が発生した。このことは、ユーザー企業がクラウドの障害について「いつか起こり得る問題」だと認識しなければならないことを示唆している。

2019年12月20日 05時00分 公開
[Chris KanaracusTechTarget]

 「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」(GCP)の3大クラウドサービス群で、2019年11月にサービスの低下や停止が相次いだ。何が起こったのか。

 AWSの各サービスの稼働状況を示すステータスページ「AWS Service Health Dashboard」によると、AWSのフランクフルトのリージョン(データセンターの設置地域)において2019年11月11日(現地時間、以下同じ)に障害が発生した。障害が発生したサービスは仮想マシン(VM)サービス「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)とリレーショナルデータベースサービス「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)、AWSリソースの自動構築サービス「AWS CloudFormation」、AWSリソースの自動スケーリングツール「AWS Auto Scaling」で、同月14日までに全て解消された。

 チーム開発支援サービス「Azure DevOps」のステータスページ「Availability degradation」によると、Azure DevOpsのタスク管理サービス「Azure Boards」とリポジトリサービス「Azure Repos」、コード実行サービス「Azure Pipelines」、テスト実行サービス「Azure Test Plans」も、2019年11月11日早朝に障害が数時間発生した。

 GCPのステータスページ「Google Cloud Status Dashboard」によると、2019年11月11日に米国の幾つかのリージョンでAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)の一部に障害が起き、別のAPIが全世界で問題に見舞われた。問題が発生したAPIは、仮想マシンサービスの「Compute Engine」とストレージサービスの「Cloud Storage」、クラウドDWH(データウェアハウス)サービスの「BigQuery」の他、複数のサービスのAPIだ。これらの問題は同日遅くに解決された。

 コンテナオーケストレーションソフトウェア「Kubernetes」のマネージドサービス「Google Kubernetes Engine」(GKE)も2019年11月上旬に不調を来した。最近アップグレードされた一部のコンテナクラスタのノード(サーバ)で「カーネルパニック」が多発するようになった。カーネルパニックはOSがエラーから簡単に回復できない状態を指し、「Windows」ユーザーの間では「死のブルースクリーン」などの通称で呼ばれることもある。このGKEの問題は2019年11月4日に発生し、一連の修正措置を経て、同月11日に提供開始されたGKEの新リリースによって解決された。

クラウドに移行することは権限を移譲すること

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