2020年01月14日 08時00分 公開
特集/連載

IPネットワークで高速共有ストレージを実現する「NVMe over TCP」ただし導入には覚悟が必要

既存のネットワークインフラを使って高速アクセスを実現するNVMe over TCP。高性能と低コストを両立させた優れた選択肢だが、今導入するならちょっとした覚悟が必要だ。

[Eric Ebert,Computer Weekly]
iStock.com/gorodenkoff

 NVMeはフラッシュストレージに超高速アクセスをもたらす。NVMe over FabricはNVMeを拡張し、データセンターでの幅広い展開を可能にする。

 そして2018年後半、新たなトランスポートが認可された。それが「NVMe over TCP」だ。これにより、標準IPネットワークでNVMeに接続できるようになる。ストレージのボトルネックに直面する多くのデータドリブンビジネスにとって、これは非常に魅力的だ。

 NVMe over TCPを利用すれば、ネットワークアーキテクチャを根本から変えることなくスケーラブルなストレージをプロビジョニングできる。レイテンシも従来のDAS(直接接続型ストレージ)とほぼ変わらない。

なぜTCPなのか

 RDMA/イーサネットやファイバーチャネルなど、NVMe over Fabricを使えば距離の離れたストレージやホストに接続することも可能だ。だがTCPを使えば、より安価で柔軟性の高い代替手段が実現する。

 TCPの始まりは1970年代後半までさかのぼる。その堅実な設計原理により、50年近くを経てなお、その適応性が確保されている。根本的なレベルでは、TCPはネットワークでデータを送信するためのフォールトトレラントなプロトコルで、特に実質速度での正確さが重視されている。

 パケットの損失や劣化が生じると、再送信を要求する。ネットワークの混雑によってパケットの到着順に乱れが生じると、TCPはそれを並べ直すことができる。

 TCPは最新インターネットの基礎を成すものの一つだ。その慎重かつ保守的な特性により、正確性と信頼性が重視されるデータセンター環境に適合する。

NVMe over TCPのビジネス基盤

 NVMe over TCPは、主にデータを集中的に扱う企業ユーザーの多くがストレージに求めるニーズを満たす。NVMeストレージに本来備わる高速性は、堅牢なフラッシュストレージへの高速かつ低レイテンシのアクセスを実現する。その速度は従来のDASに匹敵する。

 だが、NVMe over TCPが本当に優れている点は




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