NVMeフラッシュストレージがその性能をフルに発揮できない原因は何か。多くのメーカーがストレージコントローラーをボトルネックと考える中、Tegileはネットワークをボトルネックと捉えている。
フラッシュアレイメーカーのTegile Systems(以下、Tegile)は、NVMeフラッシュを最大限に活用する製品の実現を目指しているが、NVMe本来の性能を余すところなく発揮する製品を発売するにはまだ時間がかかる。同社のCTO(最高技術責任者)ラジェシュ・ネール氏はComputer Weeklyのインタビューに応じ、このような見解を語った。
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ネール氏によると、TegileはNVMeフラッシュを最大限に生かすアーキテクチャを採用しており、Tegileのストレージコントローラーは、少なくとも制限範囲内ではクラスタとしてスケールアウトすることができるという。
ストレージ業界は現在、NVMeフラッシュ本来の性能をどうやって生かすのかという課題に取り組んでいる。NVMeフラッシュはSCSIをベースとする既存のストレージプロトコルよりもはるかに大きな帯域幅と1秒当たりの入出力処理回数(IOPS)を実現できるために、性能が桁違いに向上するからだ。
ただし、NVMe本来の性能をフルに引き出すことは難しい。各アレイメーカーは、そこをどうするかいろいろと模索している。
性能を生かせない主な原因は、ストレージアレイコントローラーのCPUだ。
一部のアレイメーカーはNVMeドライブを配置した製品をリリースしているが、入出力(I/O)パスの部分の構造は従来のままだ。そこでTegileは「IntelliFlash N」アレイを開発し、Pure Storageも「FlashArray//X」を開発している。
両社ともNVMeドライブをバックエンドに接続している。これにより、ドライブへの高速アクセスが可能になる。ただし、ストレージ(アレイ)コントローラーとホストとの間のI/Oパスは、HDD時代のSCSIを基にしたプロトコルに依存している。
こうした新しいモデルの性能は、従来比で数倍向上している。「IOPS値で言えば約4倍になる。これはレイテンシの改善の幅を上回る。レイテンシは約半分に低減できる」と同氏は説明する。
「レイテンシを半減できる理由はホスト側にある」と同氏は続ける。「ボトルネックはストレージとホストとの間にある。第1世代のNVMeデバイスは、本来の性能から考えて、最大限のところまで追求しきれていない」
この点で、Tegileのネール氏はNVMeに取り組んでいる他のアレイメーカーと見解を異にする。(今のところ)コントローラーが特に問題なのではなく、現在の世代のNVMeドライブでボトルネックになっているのはホストへのI/Oパスだというのが同氏の主張だ。
「レイテンシの改善には、次の2つが必要だ」と同氏は主張する。「アプリケーションスタックから(直接)NVMeにアクセスする仕組みが要る。またイーサネットは、帯域幅をより広くし、ロスレス機能を強化する方向でもっと改善しなければならない」
ネール氏に言わせると、「ユートピア的な究極の理想的環境」は、ホストへの接続性をRemote Direct Memory Access(RDMA)over Converged Ethernet(ROCE)経由とすることだ。つまりこういうことだ。
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