フラッシュストレージに最適化されたプロトコルであるNVMeをネットワークに拡張するNVMe over Fabrics。これにより、サーバから分離した共有ストレージでも高速なI/Oが実現する。
「NVMe」(NVM Express)はPCIe(PCI Express)ベースのプロトコルで、フラッシュストレージに最適化されている。HDD時代のSASプロトコルやSATAプロトコルと比べて、NVMeは入出力(I/O)やスループットを限界まで高めている。
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既存のPCIeサーバサイドフラッシュ(訳注)は、NVMeがスロットイン式になっている。ストレージアレイプロバイダーは、NVMe接続型フラッシュストレージを利用するアレイの開発を始めている。今後、アレイ内接続はこの方向に向かうだろう。
訳注:「2015年12月2日号:暴挙か? GoogleのOffice 365攻略作戦」の「PCIe SSD vs. オールフラッシュアレイ──サーバサイドSSDの用途とは?」参照。
このI/Oチェーンがストレージアレイだけにとどまらないのは明らかだ。データセンターで使用する場合、共有ストレージには複数のホストが結び付けられる。そのため、ホストとアレイの間でNVMeの利点を確保するため、「NVMe over Fabrics」(NVMf)が開発されている。
NVMf開発に当たっての主な考え方は、サーバホストとストレージアレイとの間のI/OパスにおいてNVMeの利点(広い帯域幅とスループット、大量のキューとコマンドを処理する能力)をエンドツーエンドで確保することにある。SCSIなどのプロトコルへの変換は、この利点を損なうことになるため行わない。
簡単に言えば、ストレージネットワークやファブリック経由でもNVMeの利点がそのまま確保される。
NVMeはPCIeプロトコルをベースとするため、現状のパフォーマンスは「PCIe 3.0(Gen 3)」の特性を引き継ぐ。だがアレイ内のトラフィックは、リモートホストとNVMeストレージとの間をネイティブに移動することはできない。この間にはメッセージ層が必要になる。
基本的には、このメッセージ層こそがNVMfを構成する。今のところNVM Expressグループは、リモートダイレクトメモリアクセス(RDMA)とファイバーチャネルベースのトラフィックを可能にするためのファブリックトランスポートを考案している。これは、PCIeスロットに納めたNVMeデバイスと比べて10マイクロ秒以上レイテンシが増加しないようにすることが狙いだ。RDMAは、OSを介さずにデバイスとメモリを直接接続できる。
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