2020年02月03日 08時00分 公開
特集/連載

量子コンピュータの経済効果は年48兆円フィンランド企業が目指す汎用量子コンピュータ&量子プロセッサ

フィンランドのIT企業がIBMやGoogleに対抗して独自の汎用量子コンピュータ&量子プロセッサを実現しようとしている。フィンランドの産官学連携プロジェクトは成功するのか。

[Gerard O'Dwyer,Computer Weekly]
iStock.com/vchal

 フィンランドのエスポーを拠点とするIT企業IQM Finland(以下、IQM)には、世界初のスケーラブルな汎用(はんよう)量子コンピュータを構築するという意欲的な計画がある。同社は2019年初め、1150万ユーロ(約13億5000万円)の初期投資資金を獲得した。

 この量子コンピュータプロジェクトは、フィンランドのアールト大学のスピンアウトプロジェクトだ。このプロジェクトは、大規模でフォールトトレラントな量子コンピューティングを目的として、独自の技術をベースとした第2世代量子プロセッサの開発も行う。目指すのは量子プロセッサの大幅な速度向上だ。

 IQMの共同創設者兼チーフサイエンティストを務めるミッコ・モットーネン氏は次のように話す。「量子コンピュータは、従来型コンピュータよりも速く計算するわけではない。これまでとは全く異なる方法で問題を解決する。場合によっては、従来型コンピュータが解決できない問題を解決できる可能性がある」

 その結果、量子技術企業への投資家の関心が高まり、大学の学部からのスピンアウト企業が増えている。

 IQMは調達した投資資金で開発計画を推し進め、量子コンピューティングの画期的な進化を推進できるとしてモットーネン氏は次のように話す。「当社が前進して開発目標を実現するには、新たな資金が不可欠だ」

 量子コンピューティングの新たな分野で世界的なイノベーション競争が始まっている。IBM、Google、Microsoftなどの世界的大手企業がスタートアップへの関心を高め、量子技術を最大限に活用する方法を模索している。

 モットーネン氏は次のように語る。「当社の仕事は、これまで誰も作ったことのない種類のコンピュータを構築することだ。そのためには多額の投資が必要だ。それがなければIQMのような小さなスタートアップ企業は他社に追い越されてしまう。適切な投資計画を立てずに計画を進めても全く意味はない」

 IQMの「世界初」のスケーラブルな汎用量子コンピュータプロジェクトは、フィンランドのITと技術投資部門の注目をすぐに集めたとして、キビマキ氏は次のように話す。




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