2020年06月01日 08時00分 公開
特集/連載

今すぐコンポーザブルインフラに手を出すべきではない理由コンポーザブルインフラの登場【後編】

コンポーザブルインフラによってコンピュータのあらゆる構成要素を動的に再構成できるようになれば、ワークロードに最適なリソースを割り当てられるようになる。だがデメリットもある。

[Daniel Robinson,Computer Weekly]
iStock.com/gorodenkoff

 前編(Computer Weekly日本語版 5月6日号掲載)では、データセンターが直面している課題とその解決策としての異種(ヘテロジニアス)コンピューティング、そしてコンポーザブルインフラを紹介した。

 後編では、コンポーザブルインフラの現状と長所と短所、可能性を解説する。

コンポーザブルインフラの現状

 では、現状のコンポーザブルインフラとはどのようなものだろう。先ほど述べたように、現時点ではパフォーマンスを犠牲にすることなくプロセッサからメインメモリを切り離す実用的な技術は存在しない。そのため、初期のコンポーザブルプラットフォームは標準的なx86サーバをコンピューティングリソースとして使用し、構成可能なストレージの独立したプールと組み合わせることで妥協してきた。

 こうした例が、「HPE Synergy」と「Dell EMC PowerEdge MX」だ。これらの製品は、コンピューティングとストレージの各スレッドを組み合わせて専用の筐体に収めるように設計されている。ブレードサーバに似ているが、コンピューティングとストレージの両コンポーネントの接続にスイッチングSASファブリックを備えている。そのため、さまざまな構成でSASドライブをコンピューティングスレッドにリンクできる。

適切なファブリックの選択

 コンポーザブルインフラは、連動させるためにコンポーネントを相互接続する方法が重要になる。SynergyとPowerEdge MXは、コンピューティングとストレージの両スレッドがスイッチングSASファブリックによってリンクされている。別のコンポーザブルインフラ企業DriveScaleはイーサネットファブリックを使っている。

 ただし、ストレージ以外もコンポーザブルにするなら、もっと柔軟性の高い接続ファブリックが必要になる。その選択肢の一つがPCI Express(PCIe)だ。これはプロセッサに機器を直接接続する高速インタフェースとして開発されたものだが、現在では外部ハードウェアの接続にも採用されるようになっている。

 このアプローチを推進している企業がLiqidだ。同社はPCIeスイッチを中心にコンポーザブルインフラを構築している。このアプローチにより、GPU、FPGA、ストレージなどのハードウェアをデータセンターラックの個別の筐体に収め、複数の標準x86サーバでの共有を可能にしている。PCIeスイッチは、必要な構成を実現する制御点として機能する。

 GigaIOも同様のアプローチを取る。同社が開発した独自の相互接続技術「FabreX」はPCIe Gen 4をベースとする。PCIe Gen 4で利用可能な帯域幅により、自社のプラットフォームでHPC導入をターゲットとすることが可能になる。

 ビッグデータ分析や機械学習などを組み込む最新のワークロードをサポートするのに最適なプラットフォームを求めるIT部門は、コンポーザブルインフラが持つこのような柔軟性に魅了されるだろう。

長所と短所

 だが、慎重に検討することなくコンポーザブルインフラを導入すべきではない。




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