RHEL 8.3は各種の自動化機能がさらに強化されている。RHEL 8.3の概要を簡単に紹介する。
Red Hatは2020年10月29日、「Red Hat Enterprise Linux 8.3」(以下、RHEL 8.3)を発表した。
同社は、クラウドネイティブな運用の安定性を向上させたとしている。ハイブリッドクラウドが拡大するにつれ、基盤となるLinuxの規模を拡大して管理、最適化する能力が重要になる。だが、現実には全てのシステム管理者やITマネジャーがLinuxに精通し、デプロイを効果的に監視できるわけではない。
こうした現実を念頭に置いて、RHEL 8.3では「RHELシステムロール」が拡張されている。この機能は、特定のワークロード向けにOSを自動構成する。新しいロールには「kernel settings」「log settings」「SAP HANA」「SAP NetWeaver」「management」などがある。
Red Hatは「Tuned」もアップデートしている。Tunedは、選択したプロファイル向けにシステムをチューニングする。Tunedにより、さまざまなハードウェアアーキテクチャからパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能になる。
「Red Hat Insights」(訳注:システムを定期スキャンして問題を検出する機能)もサポート対象のRHELシステムで引き続き利用できる。Red Hatのシニアバイスプレジデント兼統括マネジャーを包めるステファニー・チラス氏によると、Red Hat InsightsはLinuxに関するRed Hatのノウハウを予防的な監視と修復のサービスとして提供する。今バージョンから「SAP HANA」を明確な対象とする管理者ビューを含むという。
RHEL 8.3は自動化を重視し、CIS(Center for Internet Security)ベンチマークとHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)向けに新しいSCAP(Secure Content Automation Protocol:管理を自動化する仕様群)が追加されている。
新たにサポートされる開発者ツールには「Node.js 14」「Ruby 2.7」などが含まれるが、以前のバージョンも引き続き利用可能だ。
2021年の重要なトレンドは何だろう。
運用チームにとっては、コア機能を自動化しなければならないことは間違いない。複雑なスケーリングの問題に直面する運用チームには特に自動化が重要だ。ベアメタルだけに属する資産ではなく、ますますハイブリッド化する新しいデプロイに直面するチームにも自動化が重要になる。
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