コンテナは優れた技術だが、万能ではない。Red Hatのジェネラルマネジャーが、特に多い6つの誤解について解説する。
本稿は、ラーシュ・ハーマン氏がスペシャルゲストとしてComputer Weekly向けに書き下ろしたものだ。同氏は、Red Hatの統合ソリューションビジネス部門のジェネラルマネジャーだ。本稿は本誌の「Open Source Insider」向けに執筆されたもので、「コンテナ」テクノロジーについて生じることが特に多い6つの誤解を詳しく取り上げる。
既にご存じのように、コンテナは個別に導入できるひとまとまりのソフトウェアコードである(コードはアプリケーションロジックの完全に独立したコンポーネントの形式を取る)。コンテナを利用すれば、広範なアプリケーションを(非常に多くの場合はアジャイルに)構築できる。コンテナは、アプリケーションのリソースを単独で呼び出して機能させる程度には「インテリジェント」で、APIを利用してこれを実現する。
以下からはRed Hatのハーマン氏による寄稿だ。
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コンテナを話題にして早期導入するのは、クラウドネイティブなアプリケーションを構築する開発者が中心だ。だが、コンテナのメリットやユースケースはそれだけにとどまらない。コンテナは、ハイブリッドクラウド、DevOps、マイクロサービスなど、最近話題の大きなトレンドを採用する場合にも現実的な手段になる。コンテナは汎用(はんよう)OSテクノロジーだ。コンテナによって、抽象化、オートメーション、懸念事項の分離が組み込まれる。この2つが組み合わさり、アプリケーションやサービスを構築、導入、実行、管理するための規範となる一連のワークフローがもたらされ、企業のIT部門が一定のビジネス上のメリットを得られる新しい運用モデルが形成される。その結果、広範なアプリケーションや環境においてアジリティ、効率、イノベーションが促進される。また、組織が構築できるプロセスや構造を中心にシステムを定義できるので、こうしたメリットの妨げとなる人間同士の複雑なやりとりも打開できる。
コンテナは新しいテクノロジーだと考えられることがよくある。確かに、コンテナのユースケースの多くは最近登場したものだが、Linuxコンテナ固有のテクノロジーの大半は何年も前から存在しており、数多くの第1世代PaaSサービスの基礎となっている。新しいと考えられる点は、クラウドネイティブなマイクロサービスや、イメージベースの提供モデルを用いた従来型アプリケーションなど、多様なアプリケーションを実行、管理できることだ。
同様に、アプリケーションのさまざま部分を分離することでOSインスタンスを共有するという考え方も新しいものではない。システムリソースを効率的に分割して占有するために、こうしたソリューションはずっと前から利用できた。
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