仮想マシンがフリーズしたり、データの処理や通信に遅延が発生したりすることがある。その原因と解決策を説明する。
サーバ仮想化製品で仮想マシン(VM)を稼働させているときに、VMのフリーズやネットワークの遅延が発生することがある。「“遅い仮想マシン”を招く『ストレージリソース不足』の課題と対処法」に引き続き、サーバ仮想化製品で発生しやすい問題とその解決策を説明する。
VMで処理していたタスクが停止したり、ゲストOSが応答しなくなったりすることがある。こうしたVMのフリーズが発生した場合、管理者はVMの停止や再開、電源のオンオフといった処置をする必要がある。VMがフリーズする理由は、ストレージやネットワークの問題、ホストするサーバで使用可能なリソースの不足など、多岐にわたる。VMがフリーズした場合、ハイパーバイザーの管理コンソールを介してVMのタスクを強制終了することもできる。ただしこれは最後の手段にすべきだ。
対策を講じる前に、管理者はフリーズしたVMが1台か、複数台かを確認する必要がある。1台の物理サーバでホストする数個のVMがフリーズした場合は、ハードウェアに起因したトラブルの可能性が高い。管理ツールを使った操作にVMが応答するのであれば、管理ツールのコンソールから、ログやエラーメッセージで問題を追跡できる。
管理者は問題を絞り込めたら、VMがフリーズした根本原因の発見に取り組む。原因を追跡できない場合は、特定のタスクがVMをフリーズさせていないかどうかを確認すべきだ。VMやそれをホストするシステムの構成を調べ、十分なリソースが使用可能かどうかも確認するとよい。ネットワークと共有ストレージに、各VMからアクセスできるかどうかを調べることも必要だ。
VMが稼働するには、ネットワークが不可欠な要素だ。死活確認コマンド「ping」の応答が遅いといった問題がパフォーマンス問題につながり、ひいてはシステムの稼働に影響することもある。管理者はネットワークの遅延に関連する問題を全て解消する必要がある。
ネットワークの遅延は、ネットワークの混雑に起因する場合が少なくない。同じネットワーク内にある機器同士のIPアドレスの重複や、ネットワーク機器構成の欠陥・不備が遅延を引き起こすこともある。必要以上の処理能力を持つ仮想CPU(vCPU)を特定のVMに割り当てると、他のVMが十分な処理時間を確保できず、遅延を引き起こすことも無視できない。
サーバOS「Windows Server」を利用する場合、ネットワーク遅延のよくある原因の一つに、電源プランの設定がある。性能と消費電力を両立させる「バランス」モード、性能より消費電力の削減を優先する「省電力」モードといった電源プランを設定すると、遅延を招くことがある。電源プランが原因となっている場合は「高パフォーマンス」モードに設定すると遅延が改善するはずだ。
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