クラウドストレージコスト削減法【後編】
クラウドストレージの無駄なコストを節約する勘所
クラウドストレージの何がコストを発生させているのかを確認しよう。契約内容を再チェックすると、必須ではない要素が存在する可能性がある。必要な機能でも、使い方を工夫することでコストを削減できる可能性がある。
前編「クラウドストレージの見落としがちな課金要素に注意」では、クラウドストレージの利用に際して何に課金が発生するのかを概観した。後編ではまだある課金要素とコストの削減方法を紹介する。
災害復旧のコスト
レジリエンスとサービス復旧にも同じ問題が当てはまる。この場合、異なるリージョンやアベイラビリティーゾーンにある二次的な災害復旧環境やフェイルオーバー環境にデータを保持するためのドメイン間のデータ転送に課金されることがある。
「リージョン間やパブリッククラウド外へのデータ移動にも料金がかかる。パブリッククラウドを利用する企業の大半は、クラウドストレージからオンプレミスのストレージへのデータの移動など、日常のトランザクションに料金を支払っている。そのためテナントが増えるにつれコストが急増する恐れがある」(ブランフォード氏)
大手クラウドプロバイダーのクラウドストレージ料金
各クラウドプロバイダーは、コストを簡単に比較できるようにしていない。事実、クラウドコストの管理をサードパーティーが提供し、業界全体がそうしたコスト管理を利用するようになってきている。
AWSの場合、変動要素の多さがコストの正確な見積もりを難しくする。これはMicrosoftもあまり変わらない。同社の複雑なライセンスオプション、割引、価格体系は、かなりの知識がなければ理解するのは難しい。Googleは恐らく価格設定を差別化のポイントとしているため、少し分かりやすい。
AWSはクラウドサービスの料金ガイドで最新料金を確認できる。「Microsoft Azure」にも「Google Cloud Platform」(GCP)にも同様の料金ガイドがある。
ストレージコストの節約
最近では、大半のクラウドプロバイダーが各種ストレージの速度を基にさまざまな層を提供している。データを誤った層に配置すると瞬く間にコストが膨れ上がる可能性があるため、データ量、アクセス頻度、業務上の重要性を把握することが重要になる。
クラウドプロバイダーは、ストレージの使用量、保存場所、サービスの種類に応じて料金を設定する。ストレージの種類としてオンライン、ニアライン、オフライン、アーカイブなどを選択できるため、適切な種類を選べば費用対効果も高くなる。
月額で料金が設定されるストレージサービスもある。ストレージを数日しか保存しない場合は、最短請求期間が設定されないサービスの方が費用を抑えられるかもしれない。
ストレージ料金を抑える場合に重要なのがシンプロビジョニングだ。シンプロビジョニングでは、プロビジョニングされた総容量ではなく実際に使った容量に課金される。
クラウドプロバイダーが用意している監視ツールを利用してパブリッククラウドの使用量とコストを監視し、過度の使用を削減し、不要になったインスタンスを削除する。
不必要なストレージはコストを上げる恐れがあるため、使わないデータは忘れずに削除する。ただし、早期削除に対して課金するアーカイブサービスもあるため注意が必要だ。
最後に、データの移動量を削減する。クラウドストレージをプライマリーバックアップ先にしてはならない。クラウドから大量のデータを取り出すと多額のコストがかかる恐れがある。データの重複排除を行えば、必要なストレージ容量が減少する可能性がある。アプリケーションの設計を見直してデータ転送を最小限に抑え、クラウドストレージのコストを削減することも必要だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly日本語版
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
パナソニックが国内製造26拠点のERPを「SAP S/4HANA」に統一 アドオン7割削減
-
4
全社標準「Copilot」にダメ出し? 現場の8割が不満を抱く“致命的な欠点”
-
5
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
6
【お知らせ】「クラウドインフラに関するアンケート調査」結果リポート
-
7
守るべきは「開発者のフロー状態」 AIによる生産性改善の6施策
-
8
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
9
データを無断で暗号化し使用者に身代金を要求する詐欺に用いられるマルウェアとは?
-
10
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー