「SSH」を安全に利用する【後編】
リモートアクセスを安全にする「SSHサーバ」のリスクアセスメント手順は?
SSHでリモートアクセスを保護したい企業は、リスクアセスメントによってSSHのセキュリティ問題を把握し、適切に対処する必要がある。具体的に何をすればよいのか。
通信の暗号化によってリモートアクセスの安全を確保する通信プロトコル「SSH」(Secure Shell)は、企業のテレワークを支えるリモートアクセスのセキュリティ対策として重要な技術だ。前編「安全なはずの『SSH』が抱える6大セキュリティ問題とは? 危険性と対策は」が紹介したSSHのセキュリティ問題からシステムとデータを守るには、セキュリティ部門がSSHのリスクアセスメントを実施する必要がある。リスクアセスメントとは、リスクの特定、分析、評価という一連のプロセスだ。
SSHのリスクアセスメント手順
具体的なSSHのリスクアセスメント方法を見ていこう。
SSHサーバ(SSH認証を要求するサーバ)をスキャンしたら、まずSSHサーバが正規のものかどうか、次にSSHサーバのポートや暗号鍵の保管場所などの構成が適切かどうかを確認する。それを受けてSSH暗号鍵の保管場所を確保し、SSH接続の信頼性を検証する。
セキュリティベンダーVenafiが世界のCIO(最高情報責任者)550人に対して実施した調査では、「システムをクラウドサービスに移行させて、さまざまな場面でSSHを使うようになれば、SSH暗号鍵の管理はさらに困難になる」と答えたのは回答者の68%だった。これはSSH鍵管理の問題が深刻であることを示す。
さまざまなベンダーが、SSHサーバのリスクアセスメントや、暗号鍵ごとのライフサイクルに合わせた暗号鍵管理を支援する製品・サービスを提供している。SSH Communications Security、Venafi、Userify、Keyfactor、Aqua Security Software (CloudSploitの名称で事業展開)といったベンダーが提供する製品や、クラウドサービス監査ツール「Scout Suite」などのオープンソースツールを利用すれば、SSHサーバの構成にある脆弱(ぜいじゃく)性の検査や、クラウドサービスにあるインフラのリスク検出などを実行できる。
SSHサーバのリスクアセスメントは一回限りではなく、定期的に実施する必要がある。従業員やIT管理者がセキュリティへの影響を考慮せずに構成を変更した結果、システムが攻撃を受けるリスクが大きくなっている場合があるからだ。
リモートアクセスの安全性確保はこれまで以上に重要になり、社内LANとインターネットの境界で集中的に対策を敷く従来の防御はほぼ通用しなくなった。SSHはシステムへのアクセスを保護できる一方で、企業がSSHのリスクに適切な対処をしなければ、SSHはセキュリティ強化に役立つどころか、かえってセキュリティを損なう要因になる可能性がある。
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