システム連携の課題は、相手のシステムにどう対応させるかにある。個別対応では開発リソースとコストがかかり過ぎる。OSSの分散イベントストリーミング基盤である「Apache Kafka」がそうした課題を解決する。
Grab Holdingsが不正検出・防止ソフトウェア「Grab Defence」を開発した当時、それは社内システムと密接に結び付いていた。そのためEコマース企業やFinTech企業などに公開するのは難しかった。
そこで、Grab Defenceのリリースに当たって「ユニバーサルアダプター」と呼ばれるものを探し始めた。ユニバーサルアダプターは他のシステムとの連携に必要なピースを提供する一種のサービスプロバイダーだ。
そうしたユニバーサルアダプターの一つが「Apache Kafka」だ。Kafkaはイベントストリーミング用のオープンソースソフトウェアで、データベース、センサー、モバイル端末、クラウドサービス、アプリケーションから、イベントストリームの形でデータをリアルタイムにキャプチャーして処理する。
Grab Defenceは、Kafkaを使ってクライアントのバックエンドからイベントストリームを取り込み、不正行為を検出する。そう話すのはGrabのウイ・ジアップ・フー氏(テクノロジー責任者)だ。
アジア太平洋地域で開催された「Kafka Summit」において、端末のデータで構成されるイベントストリームが「Apache Flink」または「Apache Spark」に送られ、さらにディープラーニングモデルに送られるとフー氏は語った。
GrabはKafkaの商用ベンダーであるConfluentと協力して、「Confluent Cloud」を使って実装した。フー氏はConfluent Cloudを「そのままですぐに使える」マネージドサービスだと評している。
「Grabはデータのプライバシーやデータの分離に関する法的要件が非常に厳しいFinTech企業にサービスを提供している。Kafkaは当社のデータ分離の実現に役立ち、サインアップ、ログイン、取引のようなイベントを促進する。こうしたデータがFinTech企業や銀行にとって非常に機密度が高い理由は容易に想像できるだろう」(フー氏)
Grabは開発者らがKafkaに簡単にアクセスできるようにするセルフサービスオプションも構築している。フー氏によると、開発者は数回クリックするだけで新たなイベントストリームをプロビジョニングして新しいクライアントをオンボードでき、安定性やスケーラビリティについての懸念も最小限に抑えられるという。
Confluent Cloudは特定のクラウドに依存しないので、複数のクラウドにまたがるKafkaのデプロイもサポートする。これがなければ、Grabは「クラウド間でコードを複製し、各クラウドのネイティブストリーミングソリューションに合わせてコードを調整」しなければならなくなるとフー氏は話す。
第三者機関の調査によると、東南アジアにおけるEコマースビジネスでは、異常な取引やGPSスプーフィングによる詐欺行為によって収益の約1.6%が失われているという。
こうした課題を解決するため、Grabは毎日数百万件のトランザクションを可視化し、不正を検出して防止するAIの開発に投資しているという。その結果、Grabは不正率を約0.2%に抑えている。これは業界平均を大幅に下回る。
Grab Defenceは「GrabPlatform」の一部として提供される。GrabPlatformはパートナーがサービスをGrabと統合するためのAPIスイートだ。
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