前編(Web会議で言いたいことが言えない“沈黙マン”が5割 発言しない「残念な理由」)と中編(「会議で一切発言しない“沈黙マン”は『Web会議』で増えた」は大きな誤解)を通じて、Web会議か対面会議かを問わず、会議中に発言しない出席者がかなりいることを説明した。Zoom Video Communications、Microsoft、Cisco SystemsといったWeb会議ベンダーは、Web会議への主体的な参加を促すために、自社製品の改善を進めている。目指すのは「会議の没入度」向上だ。ただしこうしたベンダーの取り組みには限界があるとの声もある。
「Microsoft Teams」と「Zoom」は、出席者共通のバーチャル背景画像を使って、Web会議の出席者全員が同じ場所に集まっているかのような一体感を高める機能を搭載している。Cisco Systemsは、イベント参加者向けコミュニケーションツールを提供するSlidoを買収し、Slidoが提供する投票、クイズ、Q&Aの機能を「Cisco WebEx」に追加した。これらの機能は、内向的な従業員が発言することなく自分の意見を提示するのに役立つ。
調査会社Metrigyでアナリストを務めるアーウィン・レザー氏は、コミュニケーションツールの機能でWeb会議への没入度を高めることができるという考えに懐疑的だ。「チームからのフィードバックが必要な場合に発言を促すのは、リーダーの役割だ」とレザー氏は語る。
Web会議用デバイスや聴覚障害者向け電話リレーサービスを提供するSorenson CommunicationsでCIO(最高情報責任者)を務めるニール・ニコライセン氏も「会議での発言を促すためには、ITよりも文化が重要だ」と考えている。例えば自分の考えが他の人から批判されるのを恐れているときは、なかなか意見を言えないものだ。
「会議への没入度を高めるには、上司がさりげなく発言を促すことが効果的だ」とニコライセン氏は語る。同氏は会議中に誰が発言したかを紙に書き留めておいて、発言していない出席者に意見を尋ねるのにこのメモを活用していたことがあるという。「デジタルツールを使って同じようなことをしてもいいし、意見を引き出すための簡単なヒントを会議前に伝えておくのも非常に有効だ」(同氏)
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