NASCARは12カ所のサーキットに「Wi-Fi 6」準拠の無線LAN製品を導入し、高速通信を可能にする。ファンがスマートフォン片手に、レースをより楽しめるようにするためだという。どういうことなのか。
NASCAR(全米改造自動車競技連盟)はネットワークベンダーのExtreme Networksと手を組み、NASCARが運営するサーキット(オートレース場)12カ所に、無線LAN規格「IEEE 802.11ax」(業界団体Wi-Fi Allianceによる名称は「Wi-Fi 6」)を活用したネットワークを導入する。1948年設立のNASCARは米国の他、カナダやメキシコ、欧州各国でレースを開催。新しいネットワークによって高速通信を実現し、来場者がスマートフォンを使い売店の注文をしたり、車券を購入したりできるようにする。
今後NASCARは、サーキットにWi-Fi 6準拠の無線LANアクセスポイントを設置する。大規模会場での利用に適したExtreme Networksのリアルタイム分析ソフトウェア「ExtremeAnalytics」を使ってネットワークへのアクセスを制御し、会場が混み合っても滞りのない通信を目指す。高速通信を武器にサーキット運営の効率を高めるとともに、顧客体験を向上させる狙いだ。
ExtremeAnalyticsはネットワークへのアクセスをリアルタイムに分析し、可視化する。これにより、NASCARは来場者のアプリケーション利用状況や好みについて詳細に把握し、サービス提供の最適化につなげられるという。
NASCARは新しいネットワークによって、画面一つで会場運営ができるようにすることも追求している。そのためにネットワーク管理ツール「ExtremeCloud IQ - Site Engine」を採用し、ネットワークの一元管理を可能にする。管理者は常にネットワークに接続している全てのデバイスを把握できるため、遅延の発生を防ぎやすくなる。
新しいネットワークを踏まえ、NASCARはAR(拡張現実)技術やVR(仮想現実)技術、生体認証といった技術の活用も計画している。NASCARで技術担当のバイスプレジデントを務めるクリスティーヌ・ストッフェル・モフェット氏は「生体認証によって危険人物を発見し、瞬時にスタッフ配置を調整できるようにすることで、会場内の物理的セキュリティを高める」と言う。Extreme Networksのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)、エド・マイヤーコード氏は「当社のネットワーク製品でNASCARのビジネス改革の一翼を担いたい」と述べる。
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