いまさら聞けない「キャッシュメモリ」の基礎知識 “脇役”でも重要な役割とはメインメモリとキャッシュメモリはどう違うのか【中編】

「キャッシュメモリ」は「メインメモリ」に対して小規模ながら、快適なアプリケーションの利用に大きく貢献している。キャッシュメモリの仕組みや役割に光を当てよう。

2022年01月14日 08時15分 公開

 データを記憶する要素として、コンピューティングを支える「メインメモリ」と「キャッシュメモリ」。メインメモリを取り上げた前編「いまさら聞けない『メインメモリ』の基礎 どのような仕組みか? 何に役立つ?」に続き、中編となる本稿はキャッシュメモリを解説する。

脇役でも重要な「キャッシュメモリ」の“あの役割”とは

 キャッシュメモリとは、頻繁にアクセスするデータを一時的に保持するメモリを指す。キャッシュメモリはCPU(中央処理装置)内部またはCPUを含めたチップセットにある。実行中のプログラムが頻繁にアクセスするデータを保持するのが、キャッシュメモリの主な役目だ。

 CPUの近くにあるキャッシュメモリは、少量ながら高速アクセス可能なメモリとして、滞りのないデータアクセスを可能にする。キャッシュメモリには主にL1キャッシュ(1次キャッシュ)、L2キャッシュ(2次キャッシュ)、L3キャッシュ(3次キャッシュ)の3種類がある。この3つは全て、データへのアクセスの遅延を減らすとともに、入出力を高速化する。アプリケーションの実行には基本、入出力操作が必要なため、キャッシュメモリがあればアプリケーションの処理や応答の速度は向上しやすくなる。

 L1キャッシュはCPU内部に組み込まれ、CPUのデータアクセスを高速化する。L2キャッシュはCPU内部に組み込まれることもあるが、大半の場合、L3キャッシュと同様に、CPU隣接のチップに設けられる。CPU隣接チップにあるキャッシュメモリはCPUへの直接経路を持つことで、CPUとの距離に伴う遅延を抑えることができる。


 後編は、メインメモリとキャッシュメモリを比較する。

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