Armプロセッサ搭載の「Mac」や「Windows」搭載PCで、「OneDrive」のネイティブアプリケーションが利用できるようになる。待ちわびていた人々は、ソーシャルメディアで喜びの声を上げた。その背景には何があるのか。
Armアーキテクチャのプロセッサ(以下、Armプロセッサ)を搭載したクライアントデバイスで、Microsoftのファイル同期サービス「OneDrive」のネイティブアプリケーション(インストールして利用するアプリケーション)が利用できるようになる。2021年12月、同社は「Windows」搭載PCやAppleのクライアントデバイス「Mac」のうち、Armプロセッサを搭載した機種向けに、新たにOneDriveのネイティブアプリケーションを提供すると発表。パブリックプレビューの提供を始めた。具体的には以下の機種向けのネイティブアプリケーションを提供する。
「自分の『MacBook』でOneDriveの同期機能を利用できる日をずっと待ち望んでいた」。Appleのノート型デバイスMacBookのM1搭載機種を所有する、IBMのプロジェクトマネジャー、ロバート・ドイル氏はこう語る。
ソーシャルメディア「Reddit」では、ユーザーから今回のアップデートを評価する声が上がっている。あるユーザーは「Microsoftが最近取っているマルチプラットフォーム(さまざまなOSやデバイスでアプリケーションを利用できるようにすること)のアプローチが気に入っている」と投稿。別のユーザーは「私はMicrosoftの大ファンではない。だがOneDriveは最高だ」と書き込んでいる。
調査会社Gartnerのアナリスト、ジョン・エレンセン氏によると、MicrosoftはこれまでもArmアーキテクチャのQualcomm製SoC「Snapdragon」搭載デバイスで、「Windows」アプリケーションを使えるようにする取り組みを進めていた。だがOneDriveのネイティブアプリケーションは対象外だった。Snapdragonは、Microsoftの2-in-1デバイス(ノートPCとしてもタブレットとしても使えるデバイス)「Surface Pro X」に加えて、HPの「HP Elite Folio」といった一部のサードパーティー製ノートPCが搭載している。
ファイル同期ベンダーDropboxもこれまで、Armプロセッサ搭載機種向けのネイティブアプリケーションを提供していなかった。同社は、M1搭載Macで利用できるネイティブアプリケーションを2022年に提供すると発表。2022年1月にβ版を公開した。競合ベンダーであるBoxは既に、M1搭載Mac向けのネイティブアプリケーションを提供済みだ。
Googleは、M1搭載Mac向けにファイル同期サービス「Google Drive」のネイティブアプリケーションを提供している。Armプロセッサを搭載したWindows搭載PCについては「普及率が比較的低い」という理由で、専用ネイティブアプリケーションの提供を計画していない。AppleはMacBookやデスクトップ型デバイス「iMac」へのM1搭載を進めている。
Armプロセッサは、従来の主流だったx86アーキテクチャのプロセッサと比べて電力消費が少ない傾向がある。エレンセン氏によると、小型機種を製造するPCベンダーの間で、Armプロセッサへの関心が高まっている。
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