重要なデータの中には、長期保存ではなく永久保存が必要になるものもある。ドイツのある大学が、貴重なデータを永久保存するための方法を模索している。
データを永久保存するにはどうすればよいのか。永久保存は長期保存とは異なり、そう単純ではない。ドイツのゲッティンゲン大学(Georg-August-Universität Göttingen)の教授でCIO(最高技術責任者)のラミン・ヤヒヤプール氏は、「永久保存は事前に計画すべきことがあり、ただのアーカイブでは不十分だ」と話す。
ヤヒヤプール氏はゲッティンゲン大学の情報処理センターGWDG(Gesellschaft für wissenschaftliche Datenverarbeitung mbH Göttingen)のマネジングディレクターも務めている。GWDGは、Quantumのデータ管理システム「StorNext File System」で25PBのデータを管理している。その中には永久保存が必要なデータも含まれる。
「ドイツの公的資金を投入した研究では、少なくとも10年間のデータ保管が必要だ」とヤヒヤプール氏は説明する。GWDGは貴重なデータを豊富に抱えている。その中でも、特に貴重なデータを永久保存が必要なデータとして保存しているという。
GWDGは社会科学や自然科学の分野のさまざまなデータを収集している。それを他の研究機関に提供することもある。ヤヒヤプール氏は「絶滅した動植物や、消滅した言語はもはやこの世に存在しない。データがなければ再現はできない」と語る。例えば絶滅した鳥の鳴き声は永久保存しておくべきデータだ。同氏の推定によれば、GWDGが永久保存しているデータは約5PBになり、StorNext File Systemを介してテープに保存している。
書籍や芸術作品の中にも永久保存が必要なものがある。ゲッティンゲン州立大学図書館(Niedersächsische Staats- und Universitätsbibliothek Göttingen)は、17世紀の書籍や芸術作品の保存を担う。同図書館はそうした書籍や芸術作品のデジタル化を目指している。その文書量は膨大だ。
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