大学計算センターがアーカイブに「クラウド」ではなく「テープ」を選んだ理由大規模アーカイブを支えるテープストレージ事例【後編】

テキサス大学オースティン校のテキサス先端計算センター(TACC)は、大規模アーカイブシステムのストレージをQuantumのテープライブラリに移行し大きな成果を得た。テープライブラリならではの課題とメリットとは。

2019年10月18日 05時00分 公開
[Johnny YuTechTarget]
Ranch TACCの大規模アーカイブシステム「Ranch」(画像はTACCのWebサイトより)《クリックで拡大》

 University of Texas at Austin(テキサス大学オースティン校)のTexas Advanced Computer Center(TACC:テキサス先端計算センター)は、「Ranch」という大規模アーカイブシステムを運用し、研究者向けにデータ保管サービスを提供している。

 TACCは10年以上、Ranch のインフラにOracleの階層型ストレージ管理製品「Oracle Hierarchical Storage Manager」(Oracle HSM)を利用していた。爆発的に増加するデータに対処し、ユーザーにアーカイブ容量を適切に割り当てる――。その方法を模索していたTACCは、Ranch のインフラをDataDirect Networksの分散型RAID技術「SFA Declustered RAID」(DCR)を搭載したブロックストレージシステム「SFA14K」と、Quantumのテープライブラリ「Scalar i6000」に移行。新しい保管ポリシーを策定することで、アップロードデータの増加と独自のテープ形式による諸問題を解決できたという。

 前編「大学の計算センターが『毎月2PB増えるストレージ』を刷新 最大の課題は」に続き、後編はTACCのRanch移行プロジェクトの詳細な手順について深堀りする。

「ストレージは無制限」という考えを捨てさせる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news175.jpg

日清食品がカップ麺の1〜5位を独占 2024年、最も手に取られた新商品は?
カタリナマーケティングジャパンは、カタリナネットワーク内小売店における年間売り上げ...

news070.jpg

「イカゲーム」人気にドミノ・ピザも便乗 NetflixとCM共同制作の狙いは?
ケイト・トランブル氏がDomino’sのCMO(最高マーケティング責任者)に正式に就任して初...

news082.jpg

2024年記憶に残った「生成AI活用事例」は? 課長以上に聞くマーケトレンド
アイブリッジは、マーケティング業務に携わっている従業員数100人以上の企業在籍の課長以...