パンデミックや未曽有の自然災害など、事業継続、災害復旧対策の策定時に想定すべき事態が多様化している。変化に対処できる事業継続管理者になるにはどのようなスキルを身に付けることが望ましいのか。
事業継続(BC)、災害復旧(DR)、レジリエンス(障害発生時の回復力)の専門家である事業継続管理者(Business Continuity Manager)は、厳しい未来絵図に直面している。レジリエンスのあるべき姿はさまざまだ。事業継続管理者は、深刻化し続ける潜在的なリスクに向き合わなくてはならない。
事業継続管理者は、国内外の法規制や規格といった専門知識を駆使し、専門職のあらゆる側面をつかさどる存在だ。研修や認定プログラムは、新任の事業継続管理者がスキルを高めるのに役立つ。
1970〜80年代は、事業継続管理者が正式な研修を受けることは難しかった。大抵はカンファレンスやセミナーに参加し、テーマに沿った書籍を読み、実地の体験を基に学んでいた。初期の事業継続管理者は概して技術職のバックグラウンドを持っていたが、事業継続管理者になるに当たって特定分野の学位や知識は求められなかった。
今や事業継続管理者は、専門認定資格、証明書、大学の学位を取得できるようになっている。研修や認定プログラムを提供する形で事業継続管理者を支援するITベンダーもある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)、自然災害、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の拡大といった進行中の災害や、BC/DRに関連する技術の進化によって、事業継続管理者の職務は変化している。
既に事業継続管理を担当していても、これから事業継続管理者になろうとしていても、必ず求められるのは以下のスキルだ。本連載はこれらのスキルを解説する。
事業継続管理者には、文章力や会話力といったコミュニケーションスキルが不可欠だ。事業継続管理者は、事業継続計画(BCP)やその方針、標準規約、手続きの方法、報告書などさまざまなドキュメントを作成する必要がある。BC/DRチームの研修プログラムを考案し、提供する業務にもコミュニケーションスキルは必要だ。事業継続管理者には、対面セミナーやWebセミナー、ポッドキャストなどを用いた研修プログラムを実施したり、プレゼンテーション、メール、掲示板など多様な方法で啓発活動したりする役割もある。企業全体、特に経営幹部にBC/DR、レジリエンス施策の価値を理解してもらうときにもコミュニケーションスキルが求められる。
さまざまなチャネルを使ったコラボレーションスキルは、事業継続管理者にとって不可欠なスキルセットだ。この事実は、COVID-19のパンデミックの影響を受けた企業の対処方法にも表れている。さまざまな企業が、Zoom Video Communicationsの「Zoom」、Slack Technologiesの「Slack」、Microsoftの「Microsoft Teams」などのコミュニケーションツールを導入してテレワークを開始した。事業継続管理者は、会議を効果的に計画、進行し、フォローアップするとともに、会議後の行動計画も策定する必要がある。これらの活動はオフィスワークとテレワークの両方の従業員と実施することになる。
第2回は、「ビジネス影響度とリスクの分析スキル」「プロジェクト管理スキル」「ITに関するスキル(知識と経験)」の3つを紹介する。
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