Google元幹部が生んだ勘定系「Vault」を導入 新興銀行Lunarの狙いは「レガシー脱却」にかける思いとは

北欧のチャレンジャーバンクLunarは、Thought Machineの勘定系システム「Vault」を採用した。Lunarがシステム選定に当たって重視したポイントは。

2022年03月25日 05時00分 公開
[Karl FlindersTechTarget]

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 北欧のチャレンジャーバンク(免許を取得して銀行サービスを提供する新興企業)であるLunarは、Thought Machine Groupが提供する金融機関向け勘定系ソフトウェア「Vault」を導入し、システムのモダナイゼーション(近代化)を進めている。Vaultは、Googleの幹部だった人物が、勘定系システムのモダナイゼーション(最新化)という課題に対して、自己のスキルと経験をつぎ込んで誕生したシステムだ。

新興銀行Lunarが勘定系「Vault」を選んだ戦略

 2015年設立のLunarはデンマークに本社を置き、スウェーデンとノルウェーでも事業を展開している。同社はモバイルアプリケーション通じて、個人や中小企業向けに銀行の口座開設から決済、投資まで、さまざまな金融サービスを提供する。資金を調達し、新しい金融サービス提供を模索する過程で、同社は新しい勘定系システムを求めていた。

 Lunarの創業者でCEOのケン・ビルム・クラウセン氏は「北欧全体に金融サービスを拡大させ続けるために、最新かつ最高の技術に投資するのは当社の最優先事項だ」と述べる。レガシー技術を基にしたシステムによって制限がかかることを避けたかったという。「実現可能な金融サービスを限定してしまうシステムではなく、さまざまな金融サービスを実現できるシステムを探していた」(クラウセン氏)。そこでLunarが採用したのがThought MachineのVaultだ。

 Thought Machineの創業者であり、元Google幹部のポール・テイラー氏は、Lunarには将来の金融サービスについて明確で野心的なビジョンがあると強調する。「Lunarはオープンで現代的な金融サービスのアーキテクチャと、洗練したユーザーエクスペリエンスを組み合わせ、北欧地域で最大の総合金融企業を創り出す」とテイラー氏は予想する。

 500人以上の従業員を有するThought Machineは、英国、シンガポール、オーストラリア、米国などに事業展開している。テイラー氏はGoogleでのキャリアから多大な影響を受けている。テイラー氏は1990年代に英国エジンバラ大学(University of Edinburgh)で検索技術や人工知能(AI)技術の研究に注力していた。その後、同氏は2つの会社を立ち上げるに至る。その一つが、2010年にGoogleが買収したPhonetic Artsだ。Phonetic Artsの音声合成技術は、Googleが開発するカーナビゲーションシステムや自動車向けの音声検索サービスを支えている。

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