独自ルールにこだわるIT部門に足りない「発想の転換」 Gartnerが指摘「どこからでもサービス提供」の視点【前編】

働き方が変わることと同時にビジネスニーズも変化している。IT部門はこの変化に対処するためにどうすればいいのか。そのためには従来の考え方を捨てて、新しい戦略を取り入れることが求められる。

2022年04月13日 05時00分 公開
[Emily FosterTechTarget]

関連キーワード

IaaS | 運用管理 | オンプレミス


 IT部門は、従業員や顧客に対して可能な限り迅速にITサービスを提供しなければならない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって企業は在宅勤務を迫られた。そうした中でIT部門に課されたのは、どこにいても従業員や顧客に対してITサービスを確実に届けるために、どうすればいいのかという課題だ。

IT部門に求められる「発想の転換」

 調査会社Gartnerは、2021年12月に年次イベント「Gartner IT Infrastructure, Operations & Cloud Strategies Conference 2021」を開催した。この中で、同社のアナリストであるデビッド・カプッチョ氏は、IT部門がいつでもどこでも効果的にITサービスを提供するための戦略のポイントを紹介した。どのような状況になっても、社内の混乱を避けて業務を継続するには、IT部門と事業部門が協力してビジネスニーズに応えることが重要だ。

 IT部門は、ビジネスを推進するための重要な分野に焦点を当てたITリソース配備を考える必要がある。これに当たってIT部門は考え方を変えなければならない。「ITリソースの配備はIT部門のルールではなく、ビジネスのニーズに基づいて決定すべきだ。部門を超えたコミュニケーションが成功の鍵となる」とカプッチョ氏は語る。

 ビジネスニーズに沿うことに加えて、ITリソース配備のプロセスを標準化することも欠かせない。標準的なプロセスを採用することで業務の複雑さが軽減し、開発チームと運用チームは適切に管理された中で迅速に作業を進めることができる。「ITリソース配備の速さはビジネスの価値につながる」とカプッチョ氏は語る。


 後編はインフラ選定の視点で、場所を問わないシステム運用のポイントを考える。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news067.jpg

「単なるスポーツ広告ではない」 Nikeの27年ぶりスーパーボウルCMは何がすごかった?
Nikeが27年ぶりにスーパーボウルCMに復帰し、注目を集めた。

news082.png

Z世代と上の世代で利用率の差が大きいSNSトップ3 1位「TikTok」、2位「Instagram」、3位は?
サイバーエージェント次世代生活研究所が実施した「2024年Z世代SNS利用率調査」の結果が...

news187.jpg

主戦場は「テレビ画面」へ YouTube20周年でCEOが公開書簡
20周年を迎えるYouTubeが、クリエイターとユーザーの双方にとってより魅力的で革新的なプ...