インシデント対処の質向上とコスト削減を図るための選択肢として、機械学習が注目されている。どのような問題に対して、どのような機械学習の手法が有効なのだろうか。
機械学習などのAI(人工知能)技術は、データを生かすことでビジネスの成長を促す原動力となる。ただし問題もある。インフラやアプリケーションに障害が発生した場合、IT部門や開発チームが手動で対処するのは非常に困難になってしまうことだ。アプリケーションの重要度が高いほど、システム障害が発生した場合の財務面での影響も大きくなる。
こうして手作業によるインシデントへの対処が難しくなる場合にも、機械学習を活用することが有効だ。障害の問題特定や解決を自律化できるようになる。ここでは、システム障害の原因になり得る問題と、その解決に使える機械学習モデルをみてみよう。
インシデントの解決に機械学習を用いることは、AI技術を活用したシステム運用管理「AIOps」(AI for IT Operations)の運用手法として位置付けられる。AIOpsのタスクとしては、イベントやログを分析・監視する「イベント相関」や、障害に対処するための「インシデント管理」などがある。
これらのタスクが組み込まれた機械学習モデルを、アプリケーションやセキュリティ対策に共通するリポジトリ(保管場所)と連動させることで、問題の特定や修正にかかる時間を大幅に短縮することができる。機械学習モデルは対象分野の経験が浅いスタッフでも使用することができるため、インシデント対処の質を平準化することが可能だ。
アプリケーションが停止する原因は多岐にわたる。よくある原因は下記の通りだ。
これらの原因の解決方法は、幾つかのカテゴリーに分類できる。
インシデント管理システムに機械学習を組み込む場合、以下のような、さまざまな種類の手法を使用する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
エンタープライズ向け技術は、Linuxを中核に据え、オープンソースで動作しているものが多い。しかし近年、一部のベンダーが契約による囲い込みを強めており、ベンダーロックインのリスクが高まっている。安定したLinux運用を実現するには?
ITサービスへの要求は年々増大しており、その対応を手作業でカバーするには限界がある。そこで導入されるのがITSMツールだが、特に自動化機能には注意が必要だ。自社に適した運用自動化や作業効率化を実現できるのか、しっかり吟味したい。
業務効率を高めて生産性を向上させるために、多くの企業がITシステムの導入を進めている。しかし、自社の業務に合わないITシステムを導入してしまっては、逆に生産性が低下する可能性も高い。この問題をどう解決すればよいのだろうか。
世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。
Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。