段ボールやプラスチックはNG? 「データセンター火災」を防ぐ基本行動いざというときの火災対策マニュアル【前編】

データセンターの火災は企業に甚大な損害をもたらす。最悪の事態を防ぐために、企業はどのような火災対策を取るべきなのか。

2022年04月26日 05時00分 公開
[Robert McFarlaneTechTarget]

 データセンター火災はめったに起きないが、発生すると企業に大打撃を与える恐れがある。いざというときに適切に対処するための備えと、対処せずに済ませるための予防が重要だ。

 火災対策には防火、検知、消火、復旧の4つの要素がある。火災の発生を防ぎ、出火時はすぐに検知し、消火によって被害を抑制し、被害から復旧させることだ。これらを適切に実施するために、必要なものを整えなければならない。

おろそかになりがちなデータセンター防火対策 その基本とは

 防火は、火災対策の中では最も簡単かつ安価なものだが、おろそかになりがちな対策でもある。データセンターにおいては可燃物、例えば段ボール箱やプラスチック包装材を保管してはならない。

 電気機器の主要な接続部については、少なくとも年1回、温度を測定する赤外線サーモグラフィーでスキャンすべきだ。ケーブルが伸縮して接続部が緩み、電気火災を引き起こす危険な状態になる可能性があるからだ。

火災検知

 煙感知器は、データセンターの停止を回避するためにイオン式と赤外線式の両方のセンサーを備えたインターロックシステム(緊急時に機器を停止させる仕組み)を使用するとよい。イオン式センサーは煙によるイオン電流の変化、赤外線式センサーは赤外線の変化を感知する。データセンターが停止する前に、イオン式と赤外線式の両方のセンサーが作動する必要がある。

 さらに望ましいのは、標準的な煙感知よりも早く煙を感知する、吸引式の煙感知システムだ。例えばHoneywell Internationalの製品がデータセンターでよく使われている。吸引式の煙感知システムは、小さなパイプで空気サンプルを吸引し、煙とほこりを識別できる。いち早く煙を検知すれば、携帯型の消火器でも対処できる。


 中編はデータセンターの消火方法を紹介する。

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