GoogleはセキュリティベンダーのMandiant買収を発表した。MandiantがFireEyeと分離してから、1年も経たないうちの買収となる。GoogleとMandiantの狙いは何か。
Googleは2022年3月8日(米国時間)、セキュリティベンダーのMandiantを1株23ドル、約54億ドルの全額現金で買収する契約を締結したと発表した。これは2022年2月7日時点の10日間の「出来高加重平均価格」(VWAP)に、57%の買収プレミアムを上乗せした額だ。買収完了後、MandiantはGoogle のクラウドサービス事業Google Cloudの傘下に入る。買収は2022年末までに完了する見込みだ。
この買収はMandiantにとって、1年足らずで2回目の企業再編になる。2021年6月にMandiantは、2014年に同社を買収したセキュリティベンダーFireEyeとの事業分割を発表した。その後、FireEyeの製品群と名称を投資会社Symphony Technology Groupが12億ドルで買収した。
GoogleはMandiantの買収について「Google Cloudのセキュリティにおける既存の強みを補完するものだ」と説明している。同社はMandiantの買収後、セキュリティ運用やアドバイザリーのサービスを提供し、セキュリティ分野を強化する計画だ。クラウドサービスとオンプレミスの双方で顧客のセキュリティを支援する狙いがある。
MandiantのCEO、ケビン・マンディア氏は同社の従業員に宛てたメールで次のように述べている。「Googleはセキュリティ分野におけるMandiant独自の手法を高く評価している」。マンディア氏によると、Googleは「世界をより安全にする」というコミットメントを前進させるため、Mandiantの製品やサービスに対し投資のチャンスを見い出したのだという。
証券取引委員会(SEC)への提出書類の中で、Mandiantは今回の買収のタイミングについて説明している。それによれば、MandiantはFireEyeとの分割後、社内の改革を大きく進めたことで戦略やチーム、進路に確信を持つようになった。一方で、Googleからの買収の申し出を検討する価値があるとMandiantは受け取った。慎重な検討の末、Googleによる買収がMandiantの従業員や株主、顧客の利益になると同社は結論付けた。
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