ヴイエムウェア従業員がブロードコムによる買収に抱く“ある不安”とは?Broadcomによる買収がVMwareに及ぼす影響【第1回】

Broadcomは買収するVMwareのブランドを維持する計画だ。ただしVMwareの従業員やユーザー企業の間には、“ある不安”がくすぶっているという。それは何なのか。

2022年07月15日 10時00分 公開
[Ed ScannellTechTarget]

 半導体ベンダーBroadcom(ブロードコム)は2022年5月、約610億ドル相当の現金と株式で、仮想化ベンダーVMware(ヴイエムウェア)を買収することに合意した。Broadcomの最高経営責任者(CEO)を務めるホック・タン氏は、同社が販売する既存のインフラ関連製品とセキュリティソフトウェアをVMwareブランドに組み込む計画を明らかにした。

VMware従業員が買収に不安を抱く“あの理由”

会員登録(無料)が必要です

 実際には買収が2023年に完了したら、VMwareの製品やサービスが整理の対象になるのではないか――。VMwareの従業員とユーザー企業は、こう危惧している。

 VMwareのユーザー企業は、Broadcomが近年買収した他のベンダーと同じような運命をVMwareがたどることを危惧しながら、成り行きを見守っている。2年制の職業大学Milwaukee Area Technical CollegeでITアーキテクトと講師を兼任するブライアン・カーシュ氏は、次のように語る。「タン氏は敏腕実業家だ。こうした買収が自社にもたらす短期的、長期的な経済的影響を認識している」

 「Broadcomが高収益のVMware製品とサービスだけを残して、それ以外を売却するのではないか」との懸念が、VMwareの従業員から挙がっているという。他にも人員削減を心配する声や、VMwareのネットワークセキュリティ製品「VMware NSX Intelligence」といった将来性のある製品への投資が打ち切られることを心配する声もある。


 VMwareの従業員とユーザー企業が抱く心配の背景には、Broadcomが買収先のベンダーで人員削減や事業の売却を実施してきた経緯がある。次回はその経緯を具体的に説明する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

市場調査・トレンド レッドハット株式会社

「98%が“脱VMware”を検討」の衝撃 仮想インフラ再編の行方とは

Broadcomによる買収後、VMware離れの動きが進んでいる。AWSやRed Hatなどの競合ベンダーは“ポストVMware”の受け皿としてどのような施策を打ち出しているのか。仮想インフラ再編の行方を考察する。

製品資料 SB C&S株式会社

Windows Server 2025が備える、複数の仮想マシンでGPUを共有する技術とは?

Windows Server 2025では、Hyper-Vの利便性が大幅に強化された上に、リソースの拡張性や高可用性の機能に加えてGPUパーティショニング機能も標準搭載している。本資料では、GPUパーティショニング機能の概要や設定方法を解説する。

事例 レッドハット株式会社

コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行、米国防総省に学ぶIT運用最適化のヒント

従来型の仮想化プラットフォームへの過度な依存が原因で、柔軟性の低下や、モダナイゼーションの停滞といった問題に悩んでいた米国の国防総省。そこで採用されたのが、コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行できる統合プラットフォームだ。

製品資料 レッドハット株式会社

仮想マシンのクラウドシフトとクラウドネイティブ化がもたらす15のメリット

これまで仮想化技術は、システム運用の効率化やコストの最適化などさまざまなメリットをもたらしてきた。しかし現在、仮想化基盤は拡張性やアジリティなどのメリットを享受するためにクラウドシフトが求められている。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

稼働後3年も障害なし、NTTコミュニケーションズのデータ活用を支えるストレージ

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...