VMwareの買収を発表したBroadcomは、過去にCA TechnologiesやSymantecなどのベンダーを買収し、買収先の一部の事業を売却している。Broadcomが買収先の企業で実施した事業転換を振り返る。
半導体ベンダーBroadcom(ブロードコム)は2023年に、仮想化ベンダーVMware(ヴイエムウェア)の買収を完了させる計画だ。VMwareの従業員やユーザー企業の一部は、この買収がVMwareの製品やサービスに及ぼす影響を懸念している。この懸念の背景には、Broadcomが過去に買収したベンダーで進めた“ある行為”がある。
Broadcomは2018年11月に、ITインフラ管理ソフトウェアベンダーのCA Technologies(CA)を買収した。買収完了のわずか数日後に、引き継いだCAの従業員の300人をレイオフ(一時解雇)。さらにCAの全従業員4800人のうち2000人をレイオフする計画を発表した。
CA買収の数カ月後には、アプリケーションのセキュリティテストを実行するCAのSaaS(Software as a Service)「Veracode」事業を売却した。一方で収益性の高いCAのメインフレームソフトウェア事業は、他の事業と比較して大きな変更を加えることなく残した。新設したメインフレーム部門とエンタープライズソフトウェア部門の運営は、Broadcomに残ったCAの上層部が担当した。
Broadcomは2019年11月に、セキュリティソフトウェアベンダーSymantec(シマンテック)のエンタープライズソフトウェア事業を買収した。その際もBroadcomは、買収完了後半年もたたない2020年4月に、Symantecのサイバーセキュリティサービス事業をコンサルティング会社Accentureに売却。一方で収益性が高いSymantecのセキュリティソフトウェア製品事業は維持している。2020年5月にはSymantecのエンタープライズコンサルティングチームをシステムインテグレーターHCL Technologiesに売却した。
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