半導体ベンダーのBroadcom(ブロードコム)は2022年5月、大手仮想化ベンダーVMware(ヴイエムウェア)の買収を発表した。これはクラウドサービス市場の発展に不可欠なVMwareの製品群に、影響を与える可能性がある。
Broadcomの買収によって、VMwareの投資が無駄になることを懸念するアナリストがいる。しかし特にVMwareの「VMware Cloud」(VMC)が、適切な投資を受けられなくなるとは考えにくい。VMCはVMware製品を各種IaaS(Infrastructure as a Service)で実行するための製品・サービス群だ。VMwareはAmazon Web Services(AWS)の同名サービスとMicrosoftの「Microsoft Azure」、Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)、Alibaba Cloudの同名サービス向けにVMCを提供している。
オンプレミスのVMware製品とVMCを同じように管理するためのハイブリッドクラウド製品として、VMwareは「VMware Cloud Foundation」(VCF)も提供する。VCFはDell EMCやその他のベンダーのサーバで利用できる。
VMwareのクラウド関連製品・サービス群は、Broadcomが将来的に一層力を入れると考えられる分野でもある。クラウドインフラの管理手法と「as a Service」というインフラの利用形態を、ユーザー企業のデータセンターに導入することに商機がある。Broadcomが自社の半導体製品の販売先をクラウドベンダーや通信事業者に広げる際に、VMwareの営業チームや既存のパートナーが関係性構築の鍵となる可能性もある。
中編は、Broadcomによる買収がVMwareのクラウドインフラ管理製品群「VMware Cloud Management Business Unit」に与える影響と、今後の製品・サービスの展開を予測する。
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