“あのツール”の使いにくさが解消されれば、もっと業務時間を減らせる――。Corelの調査によると、オフィスワーカーの9割以上がこう考えていることが分かった。そのツールとは何か。背景には何があるのか。
画像編集ソフトウェアベンダーCorelの調査レポート「Collaboration Survey Report 2022」によると、オフィスワーカーの9割以上は、“あるツール”の不備が企業の生産性に影響を及ぼしていると考えている。この調査は、米国、英国、ドイツ、オランダ、イタリア、オーストラリアのオフィスワーカー2027人が対象にした。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の最中に、テレワーカーを含むチームが生産性を保ち、どこでも働けるようにするために、コラボレーションツールが重要な役割を果たしている――。調査結果によれば、このことをあらためて認識している回答者が一定数いた。
従業員は勤務先に対し、自分たちの望む場所、望む働き方で効率的に仕事ができるコラボレーションツールの提供を期待している。だが調査結果からは、ほとんどの企業がこの点で期待に沿えていないことが分かった。Corelの調査では、回答者全体の92.45%は、勤務先が適切なコラボレーションツールを整備していれば、業務時間をもっと節約できると答えた。
「コラボレーションツールの成功条件」についての質問に対して、英国の回答者は主に2つの特徴を挙げた。47.73%は「複数のチームメンバーがコラボレーションツールを使って、同時に同じプロジェクトでシームレスに働くことができなければならない」と回答。31.36%は「どのようなデバイスでも作業およびコラボレーションができるツール」を望んでいた。
この調査は「コラボレーションツールの不備がビジネスの成長を妨げていると感じる」という回答者の認識にもスポットを当てている。その主な理由は生産性の低下だった。英国回答者の81.82%は、コラボレーションがうまくいかなければ生産性の足かせとなり、時間が無駄になると考えていた。
「勤務先では適切なコラボレーションツールを利用できていない」と考える理由について、英国回答者の45.45%は「コラボレーションツールの使い方に関する研修を受けていない」と答えた。27.27%は「コラボレーションツールの機能が良くない」、9.09%は「勤務先が適切なコラボレーションツールに投資していない」と回答した。Corelは調査レポートにて「コロナ禍によって働き方が恒久的に変化し、コラボレーションツールの不備が企業の成長や業績に与える影響が無視できないものになった」と指摘する。
「従業員が快適に働けるように後押しするツールに対して企業が予算を投入している限り、テレワークは驚くほど生産的になり得ることを、私たちは2020年から2022年にかけて学んだ」。Corelの最高人材責任者スコット・デイ氏は、こう振り返る。
デイ氏は「コラボレーションツールの不備は重い代償を伴うことが、今回の調査で裏付けられた」と主張。あらゆる規模の企業が、コロナ禍の初期に導入した応急処置的なコラボレーションツールに足を引っ張られている実態が浮き彫りになったと説明する。
一時しのぎのコラボレーションツールは、従業員の生産性向上どころか仕事の妨げになる場合があり、テレワークの全体的な生産性を著しく阻害する可能性がある。「従業員の声に耳を傾け、働きたくなる環境を作り出し、シンプルで直感的なコラボレーションツールを導入することが、2022年のビジネスを成功に導く」(デイ氏)
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