IT職を目指したり、とどまろうとしたりする女性は多くない。その背景には、スキルに対する“ある誤解”があるという見方がある。それは何なのか。
若い女性の学習を支援する団体Innovate Herは、IT業界でのキャリアに興味を持つ女性を増やすための取り組みに尽力してきた。だが女性はIT職を避ける傾向にある。コンサルティング会社Accentureは、IT職に就いた女性の半数が35歳までに退職するとの見方を示す。
IT業界で働く女性が増えたとしても「それだけでは十分ではない」と、Innovate Herの共同創設者兼ディレクターであるチェルシー・スレーター氏は言う。スレーター氏は「われわれは学校に出向き、若い女性がIT業界でのキャリアを検討できるよう、彼女たちに自信を持たせることに情熱を注いでいる」と語る。
企業はエンジニアの争奪戦を繰り広げている。求人はしているものの、十分なスキルを備えた労働者が不足している状況だ。
Innovate Herのパートナー企業はこれまで、新規採用者に求める主なスキルとして
などを挙げてきた。だが状況は変化している。同団体のパートナー企業は、こうした「ハードスキル」よりも「ソフトスキル」を持つ候補者に興味を持ち始めているという。ハードスキルは訓練や学習で習得できる技術的な能力、ソフトスキルはコミュニケーション力やリーダーシップなど個人の特性に関する能力を指す。
若い女性の中には、ソフトスキルが十分にあっても、ハードスキルに自信がなく「IT職に就くには、自身のITスキルは不十分だ」と考える人が少なくないとの見方がある。こうした誤解は、IT業界にダイバーシティー(多様性)の欠如を招きかねない。
後編はInnovate Herの見解を基に、IT職に就く女性を増やすために必要なことを考える。
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