英国の卒業認定試験GCSEで選択受験科目になっている「コンピュータサイエンス」。その女子受験者がもっと増えることが望ましいと主張する専門家がいる。その意図とは。
英国には義務教育後の卒業認定試験「GCSE」(General Certificate of Secondary Education)という制度があり、選択受験科目の一つに「コンピュータサイエンス」がある。GCSEの受験者のうち、コンピュータサイエンスを選択するのは男子受験者が中心ではあるものの、女子受験者の間でもコンピュータサイエンスを選択する動きがある。
2022年のGCSEでは、選択受験科目にコンピュータサイエンスを選択した女子受験者数は1万7264人と、前年の1万6549人から増加した。そのうちコンピュータサイエンスで7以上の評価(GCSEでは最も良い評価が9、最も悪い評価が1)を獲得したのは40.6%に上った。
業界・学術団体のBCS, The Chartered Institute for IT(英国コンピュータ協会、以下BCS)で教育ディレクターを務めるジュリア・アダムソン氏は、GCSEでコンピュータサイエンスを受験する女子生徒が増えたことを評価する。「これだけの人数の女子がコンピュータサイエンスの修了資格試験を受け、優秀な成績を収めていることは素晴らしいニュースだ」とアダムソン氏は語る。だが「満足してはならない」とも同氏は語る。「もっと多くの女子が、このエキサイティングで創造的な科目を学ぶ必要がある」(同氏)
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の中でわれわれが学んだのは、デジタルスキルが全ての人にとって極めて重要だということだ」とアダムソン氏は語る。デジタルスキルは社会で活躍するためのツールであり、キャリアを切り開くのに役立ち、長い目で見れば英国経済の改善に貢献する、と同氏は考えている。
性別によらず、多くの学習者がGCSEでコンピュータサイエンスを受験し、その過程で学んだ知識をその後も長く発揮し続ける――。アダムソン氏は、その実現を期待している。
後編はSTEM教育を強化する重要性と、学習者にSTEM分野に関心を持ってもらう方法を専門家が語る。
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