「ブロードコムはイノベーション軽視」は誤解だ――ヴイエムウェアCEOが断言VMwareラグラムCEOに聞く買収の真実【第2回】

BroadcomのVMware買収によって「特定の分野のVMware製品への投資が滞る」という見方がある。この見方について、VMware CEOのラグー・ラグラム氏が答える。

2022年09月26日 05時00分 公開
[Aaron TanTechTarget]

関連キーワード

VMware | CEO | サーバ仮想化 | ベンダー


 半導体ベンダーのBroadcom(ブロードコム)は仮想化ベンダーのVMware(ヴイエムウェア)を買収すると発表した。VMwareでCEOを務めるラグー・ラグラム氏が米TechTargetの取材に応じ、Broadcomの買収がVMwareの製品ラインアップに及ぼす変化について回答した。

―― 「Broadcomの過去の買収戦略には、イノベーションを重視する考え方が見られない」と考えるアナリストがいます。VMwareはBroadcomによる買収後も、収益性の高い事業だけではなく、ハイブリッドクラウドやコンテナ、セキュリティといった分野での挑戦的な取り組みを続けますか。

ラグラム氏「『ブロードコムは投資しない』は事実に反する」

ラグラム氏 「Broadcomがイノベーションに投資しない」という認識は、事実に裏付けられていないと私は考える。

 Avago Technologiesという小さな企業から始まったBroadcomは、半導体のイノベーションに多額の投資を続けており、世界中のスマートデバイス企業がさまざまな部品にBroadcom製品を利用している。Broadcomが最新技術への投資に後れを取っていたなら、そのようなことは実現していなかった。Broadcomの全ての事業を確認すると、多くのイノベーションが存在することが分かる。

 Broadcomが当社を買収する目的は、当社の製品ポートフォリオの獲得だけではない。Broadcomはインフラ管理ソフトウェアのリーダーを目指しており、インフラ構築と管理の分野で、豊富な製品ポートフォリオを持ちたいと考えている。

 今回の買収を通して、Broadcomはソフトウェア部門のブランドを「VMware」に変え、既存のソフトウェア資産の一部をVMwareブランドに取り込む。Broadcomは需要の大きい当社製品だけではなく、全てのユーザー企業に幅広い製品を提供できるようにする。当社のユーザー企業層が、同社が今まで買収してきたCA TechnologiesやSymantecの顧客層とは大きく異なることをBroadcomは理解している。


 第3回は、VMwareのクラウド関連製品の事業戦略をラグラム氏が語る。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news132.jpg

ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。

news103.jpg

なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...

news160.jpg

業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...