bit.ioが750万ドルを調達して「Serverless Postgres」を一般提供TechTarget発 世界のITニュース

DBaaSのスタートアップであるbit.ioがシードラウンドで750万ドルを調達。ワンクリックでデータベース構築を開始できるServerless Postgresにbit.ioが加えた強みとは。

2023年01月12日 05時00分 公開
[Sean Michael KernerTechTarget]

 データベース管理システムのクラウドサービスであるDBaaS(Database as a Service)のスタートアップ企業bit.ioは、2022年10月26日(米国時間)にDBaaS「Serverless Postgres」の一般提供開始を発表。創業前後の企業が挑む資金調達方法「シードラウンド」で750万ドルを調達したことも併せて発表した。同社はサンフランシスコで2019年に設立した。今回資金獲得に寄与したDBaaSは2021年にプライベートβ版として公開され、同社によれば1万5000ユーザーが3万件以上のデータベース構築に利用してきた。

bit.ioが提供する「Serverless Postgres」の機能

 bit.ioが一般提供を開始したServerless Postgresは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)「PostgreSQL」を簡単かつ迅速に使用できる、サーバレスのDBaaSだ。bit.ioは、DBaaSの中核であるPostgreSQLの使用に付随する機能を提供することで、ユーザー企業がより簡単にデータを扱えるようになることを目的としている。具体的には、ブラウザからワンクリックでデータベースを起動できる。データ読み込み機能やデータ変換機能の利用に加えて、共同作業者の追加も可能。

 Serverless Postgresでは、表計算データで一般的に使われるCSV形式やJSON形式など、複数のファイル形式でのデータ読み込みもできる。CSVとJSONはデータベースの構造を表す設計図であるスキーマを持たないため、データ読み込み前のデータ変換が必要だが、Serverless Postgresはアルゴリズムを利用してPostgreSQLにデータを読み込むための構造を用意している。

 インターネット上の誰でもアクセス可能なパブリックと、ユーザー自身と特定のアカウントだけがアクセスできるプライベート両方のリポジトリで、データベースへのアクセスを簡単に共有できることがServerless Postgresのもう一つの特徴だ。クエリを検証、認証するアクセスコントロール機能も組み込まれている。

SQLiteからのデータ移行

 bit.ioがServerless Postgresに追加した機能の一つが、PostgreSQLと同じくオープンソースのRDBMSである「SQLite」からのデータ移行機能だ。bit.ioの創業者兼CEOであるアダム・フレッチャー氏は、本体のファイルサイズが600KB程度と軽量で、メモリの消費量を抑制できるSQLiteをさまざまなユーザーが利用していると述べる。

 SQLiteはアプリケーション内に組み込むように設計されたデータベースとして広く普及しており、開発者が最初に利用するデータベースとなることが珍しくない。SQLiteとPostgreSQLではクエリやスケーリングの方法が異なる。bit.ioは、ユーザーがSQLiteからServerless Postgresにデータを移行するための読み込み機能を開発した。

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