「給料そのまま週休3日」の導入企業が驚いた“まさかの成果”チャレンジャーバンクAtom bankが挑戦

週休3日制では企業は成長しない――。こうした声がある中で、英国のチャレンジャーバンクAtom bankは、給与削減なしの週休3日制を導入した。同社が得た成果は。

2023年01月17日 10時00分 公開
[Karl FlindersTechTarget]

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 銀行免許を取得して銀行サービスを提供する企業「チャレンジャーバンク」のAtom bankは2021年11月、週休3日制(週4日勤務制)を導入。希望する従業員に対して、給与の削減はせずに、勤務日数を週4日にした。開始当時、430人いた全従業員のほとんどが週休3日制を選択したという。週休3日制導入から1年の成果について、同社の人事責任者に聞いた。

「給料そのまま週休3日」の“まさかの成果”

 Atom bankの週休3日制への移行はうまくいっているという。同社は従業員の勤務日数を減らしながらも、事業目標を達成した。同社の最高人事責任者、アン・マリー・リスター氏は「週休3日制への移行に困難がなかったわけではない」と前置きした上で「この取り組みは、当社が実現した最も大きな改革の一つとなった」と語る。

 2021年11月に週休3日制を導入して以来、Atom bankでは「従業員の生産性が向上し、健康状態も改善した」とリスター氏は説明する。「当社の顧客満足度は過去最高水準に達し、入社希望者が増えた」と同氏は話す。

 週休3日制の導入に至るまでAtom bankは「計画や聞き取り調査に多大な時間を要した」とリスター氏は話す。「こうした下準備があって、始めて週休3日制を推進できた」と同氏は振り返る。

 懐疑的な人の間には「週休3日制では会社を成長させることはできない」という考え方がある。リスター氏は「この1年で当社は顧客数を記録的に伸ばし、継続的な進歩と発展を実現した」と自信を見せる。

 英国政府は2022年6月、企業が6カ月間参加する週休3日制の合同実証実験を開始した。参加したのは、70社を超える企業の従業員3000人以上。非営利団体4 Day Week Globalが、シンクタンクAutonomy Researchと非営利団体4 Day Week Campaignの協力を受けて、この実証実験を実施した。2022年6月から12月の6カ月間、IT企業を含むさまざまな企業が、賃金カットなしで週休3日制を試験的に導入した。

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