生成型AIよりも気にすべき「求職者を不快にさせる採用活動」の深刻なリスク「候補者体験」はなぜ重要なのか【第2回】

採用フローで求職者がどのような体験をするのか、企業に対してどのような印象を抱くのかに着目した「候補者体験」という言葉が米国で注目を集めている。候補者体験を重視すべきだと専門家が語る理由は。

2023年05月14日 10時30分 公開
[Molly DriscollTechTarget]

関連キーワード

人事


 求職者の状況改善を目指す非営利組織Talent Boardのプレジデント、ケビン・W・グロスマン氏は「候補者体験」(CX:求職者が採用のやりとりの中で得る体験価値)を重視する。採用活動における求職者とのコミュニケーションの巧拙が、企業の人材獲得だけではなく、ビジネスにも影響を及ぼすとの考え方が背景にある。具体的には、どのような影響があるのか。グロスマン氏に聞く。

生成型AIよりも深刻? 「求職者の不満」がもたらす“あのリスク”

―― 求職者に対する企業のコミュニケーションは、この数十年の間にどのように進化したのでしょうか。

グロスマン氏 進化はしていない。手厳しく聞こえる可能性があるが、これは極めて深刻なことだ。ただし変化はある。求職者とのコミュニケーションをよりタイムリーにするための技術が充実したことだ。人工知能(AI)技術を活用したAIチャットbotなどの「ジェネレーティブAI」(生成型AI:テキストや画像などを自動生成するAI技術)から、連絡手段としてのメールに至るまで、採用に関わる技術は大幅に成熟し、高度化した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、採用市場はどちらかといえば求職者に有利だった。今もその状況は変わらない。世界がどのような状況にあったとしても、企業に対する求職者の評価を左右する要素は、採用活動における企業とのコミュニケーションの「一貫性」と「タイミング」だ。

 われわれが注視する指標に「求職者の不満」がある。「採用を通して不快な思いをしたので、あの企業とは今後一切関わらない」といった不満だ。われわれのデータでは、こうした不満を抱く求職者の数は、他の地域と比べて北米(主に米国)で常に高い傾向にある。ただし他の地域でも徐々に増えつつあることは見逃せない。

 消費者向けビジネスを手掛ける企業の場合、求職者の不満の影響は特に深刻になる。不快な思いをさせた求職者に「もうこの企業の客でいたくない」「この企業の商品やサービスは使わない」と思わせてしまう可能性があるからだ。


 次回は、企業が候補者体験を高めるためのコミュニケーション方法をグロスマン氏に聞く。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news053.jpg

「docomo Ad Network」 高LTVユーザーのみに広告配信ができる顧客セグメントを追加
D2Cは顧客生涯価値が高くなることが見込まれるセグメントを抽出し、新たなセグメント情報...

news135.png

インターネットの利用環境、女性の66%は「スマホのみ」――LINEヤフー調査
LINEヤフーが実施した2023年下期のインターネット利用環境に関する調査結果です。

news108.png

LINEで求職者に合った採用情報を配信 No Companyが「チャットボット for 採用マーケティング」を提供開始
就活生が身近に利用しているLINEを通して手軽に自社の採用情報を受け取れる環境を作れる。