「Java」をこれからでも学びたくなる理由は、以前よりも習得しやすくなったことにあるという。どのようにやさしくなったのか。
歴史のあるプログラミング言語の場合、どのバージョンを主に使っていたかによって、そのプログラミング言語への印象が異なることがある。過去の記憶のみに頼ってそのプログラミング言語を評価しても、現在のバージョンに対する正当な評価にはならない。プログラミング言語および開発・実行環境「Java」も例外ではなく、過去の記憶に基づく評価は、実態を適切に反映していないことがある。こうしたギャップは、開発者がJavaに関心を寄せるべき理由の5つ目と6つ目に密接に関連する。
Javaの習得は、以前よりもずっと簡単になったと言ってよい。開発者がJavaのソースコードを書き始める際、かつてはJDK(Java開発キット)とIDE(統合開発環境)をインストールし、適切な環境変数(OS内でデータを共有するための変数)を設定しなければならなかった。全てのJavaプログラムには、プログラムの開始時に最初に実行する「main」メソッド(処理)が必要だった。
2017年に登場した「Oracle JDK」バージョン9(通称「Java 9」)は、対話的なプログラム開発・実行環境(REPL:Read-Eval-Print Loop)を実現する機能「JShell」を備える。Oracle JDKは、Javaの仕様群「Java Platform, Standard Edition」(Java SE)に基づいた、Oracleの開発・実行環境だ。JShellを使ったプログラミングでは、mainメソッドを記述する必要がない。
Replitの同名ツールやOne Compilerの「OneCompiler」といった、クラウドサービスとして利用可能なIDE(クラウドIDE)も充実し始めた。こうした開発環境の変化は、Javaを使い始める際の負担を軽減する。
「Python」「C#」といったプログラミング言語を扱う開発者は、しばしば「Javaのソースコードは冗長過ぎる」と批判する。Javaは改良を重ね、以下が可能になった。こうした変化は、Javaのソースコードをより簡潔にする。
Javaはコンソールやファイルなど、さまざまな出力方法を利用できる。明確な構文と命名規則があるため、保守がしやすい利点もある。「Javaのソースコードは冗長だ」と批判する時代は終わったと言える。
次回は、7つ目と8つ目の理由を紹介する。
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